「東京五輪が終わるまで首都直下地震に関するニュースはNG」報道規制が進行中か! コロナとの二重苦“あり得る”のに… TV関係者が激白

 東京五輪の開催に暗雲が立ち込めている。その元凶が新型コロナウイルスであることは誰しもが認めるところだろうが、トカナはそもそも、超巨大地震が公式に「いつ起きてもおかしくない」とされる状況にある日本で、このような大規模イベントを開催すること自体に不安を表明してきた。そう、コロナ禍にあって東京五輪を強行し、その会期中に首都直下地震が起きるという最悪の事態も考えておかなければならないのだ。確率を持ち出して笑い飛ばす者がいるかも知れないが、「想定外」は“起こる”ものだということを日本人は3.11で嫌というほど思い知らされたはずだ。にもかかわらず、その教訓をもう忘れてしまっている、いや、「忘れさせようとする」動きがあるという。今回は、まだパンデミックの気配もなかった時期にマスコミ関係者の間で囁かれていた噂について報じた2019年7月の記事を再掲する。

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イメージ画像:「Getty Images」

 テレビ関係者から「東京オリンピックが終わるまで首都圏地震に関するニュースはNGになった」との話が聞かれる。一部の大学教授や地震研究機関の専門家らの見解によると、東京五輪が行なわれる来年に首都圏で大地震が起こるリスクが高まっているとの見方があるが、これがテレビの報道番組などでは放送を控える話になっているというのだ。

 6月18日に新潟県村上市で震度6強を記録した山形県沖地震の後 、現地取材したテレビ記者が現地の調査機関で得た情報から、首都直下地震の危険性も高まっていることを聞いたが、その話を局に持ち帰って企画したところ、上司から「大人の事情でやれない」などと言われたという。

「奇しくも同じことを他局のディレクターも嘆いていて、政府筋から東京五輪に水を差すニュースはなるべく控えるようお達しがあったという話をしてました。地震の不安を煽れば、経済的に損失が出るということなんでしょうが、予言などではなく、あくまで専門家による分析の話なのに、こんなことまで政治の横やりを受けなければならないとは……これはむしろ地震の可能性が高いということを証明するようなものでは」

 記者が取材した専門家は山形県沖地震を見事に予知した研究チームの一員だという。

「新潟では1964年6月、マグニチュード7.5の大地震があって、2019年6月がちょうど55年後だったんですが、取材した専門家は、以前からこの土地での55年周期地震説を主張していた人なんです。その呼び掛けもあって、ちょうど55年後の6月16日に新潟市は市内全域に訓練メールを送信したほど。地震が起きたのはまさにその2日後でした。おかげで被害を抑えることができたのですが、このチームは首都圏での地震も、95年から100年ぐらいの周期説を打ち出していて、1923年の関東大震災から数えると、東京オリンピックの期間はまさにそのど真ん中。もし五輪前や開催中に大地震になったら大変なことになるわけですから、注意をしておくのは当然だと思うんですが……」

 実際、11年の東日本大震災以降、日本列島の地下プレートの各所に歪みが生じ、小さな地震が頻発、その数は震災以前に比べ約3倍となっており大地震への警戒が強まっているのはたしかだ。政府もそこは警戒しており、地震調査委員会に昨年、「全国地震動予測地図」を出させていて、そこでは横浜で30年以内に震度6以上の大きな地震が発生する確率が82%となっている。

「実はこれ、危機を煽らないために30年なんて長期間にしているだけで実際には3年以内、5年以内といったデータもあるそうですよ。4年ほど前の断層データでは、熊本県の布田川断層が危ないと出ていて、翌年、本当に大地震が起こったのに、発表していたのは『30年以内』だったので、みんな危機意識を強く持てなかった。 結局、こういう調査はあくまで行政が幅広く予算を取れる耐震事業のためであって、 国民に危機を知らせる目的になっていないんです」と記者。

 実際、国交省は先ごろ、全国の大きな建物の2割近い1800ものビルなどが耐震不十分という調査結果を出しているのに、その建物名を公表せず、密かに全国の自治体に通知しただけだった。

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