人権の女神スーチーの本当は恐ろしい裏の顔! MI6、ソロス、陸軍中野学校、大量の愛人……ジェームズ斉藤が徹底解説!

ジェームズ クーデターの話に戻りますが、今回のクーデターが欧米の介入もなく、なぜここまで順調に進んでいるのかというと軍には後ろ盾があったんです。

──中国ですか?

ジェームズ 違います。中国は逆にスーチーさんに寄り添っていました。彼女は最初イギリスの傀儡だったんですが、やがて中国に取り込まれます。特に2015年の選挙で大勝したあとはスーチーさんが事実上の大統領みたいになっていましたから、習近平が一気にすり寄っていったんです。ミャンマーは一帯一路の巨大インフラプロジェクトの通り道になる直前だったんですよ。日本でいうと菅政権、二階さんレベルの話になっていて、売国奴がトップになってしまったということです。しかし、軍はさっきも言ったようにナショナリストで反植民地主義、反グローバリストの集団なので、そういうスーチーさんを国賊とみなしていました。ですから、軍事政権は反中なんですよ、実際は。冷戦の枠組みの中で中国とのやり取りはあるにはありましたが、本質的には反中です。じゃあ、どこの後ろ盾があったのかというとロシアです。反グローバリズム、反民主化で接点を持ちました。

 その証拠が去年6月にロシアで行われた対独戦勝記念日の軍事パレードです。モスクワの赤の広場で行われたのですが、そこにはミャンマーの軍事政権のトップであるミン・アウン・フライン上級大将が招待されてロシア軍と交流してるんですね。彼は今回のクーデターの最高責任者です。そのフライン上級大将ですが、ロシア国営放送のインタビューを受けていて、インタビューのロシア国営放送の女性キャスターは「私はもしかしたらミャンマーの次の指導者と話をしているのかもしれませんね」と言っているんですよ。

ミン・アウン・フライン上級大将。画像は「Wikipedia」より引用

──思い切りマッチポンプですね。

ジェームズ そうです。で、スーチーさんの今後について聞かれた時は、「彼女の将来は約束されたものではないかもしれない」と語っています。ですから、この時点でクーデターは計画されていたと思って間違いありません。おそらく数年前からシナリオを練っていて、去年のモスクワの軍事パレードに参加した際に裏取引があったと私は見ています。それは、2月1日のクーデター直後にロシア軍トップの国防大臣がミャンマーを電撃訪問していることでもわかります。さらにもうひとつ決定的なことは、約2カ月後の3月27日にミャンマーで行われた軍事パレードです。そこにロシア国防省の副大臣アレクサンドル・フォーミンが出席し、巨額の軍事援助を約束しています。事実、軍事パレードの装備品はすべてロシア製になっていたんです。

──その前まではどこ製なんですか?

ジェームズ その前までは中国製が多かったんですよ。それがクーデターから2カ月もしないうちにロシア製に変わっていました。そうやってロシアの後ろ盾があるんでいま欧米諸国は介入できないんです

──ただ、そうなると今度はロシアの傀儡になってしまいませんか?

ジェームズ その通りです。ただし、ロシアはソロスのような植民地化を狙っているわけではありません。インドシナ半島のど真ん中に位置するミャンマーに軍事拠点を築きたいんです。経済的奴隷にしようとかまで考えていないのでまだマシです。ですから、私は国軍だけがミャンマーの独立と真の民主化を約束できる勢力だと言っているんです。絶対的に正しい解決方法ではありませんが、すべての悪い選択肢しかない中で一番まともです。

 それに、そもそもミャンマー国軍って日本が作ってますからね。さっき話したとおり、アウンサンを含む30人の志士というのは戦争中、日本に送られて中野学校で訓練を受けています。だから、あれは中野学校がプロデュースしたクーデターとも言えるんです。

──う〜ん、さすがにそれはちょっと言い過ぎなんじゃないですか(苦笑)。

ジェームズ ところが、満更そうでもないんですよ。というのも、クーデターを行った軍の最高司令官ミン・アウン・フライン上級大将はこの10年間に2回ぐらい来日していて、そのたび浜松に行っているんですね。浜松に何があるかというと鈴木敬司大佐のお墓です。彼は来日のたびにお墓参りをしていたんです。ですから、ミャンマー軍の起源というのは鈴木大佐、そして中野学校にあるということは間違いないところです。しかもクーデターというのは帝国陸軍の伝統ですから(笑)。これひとつを取っても、日本が応援するべきはスーチーさんではなく、軍事政権のほうなんです。

──そこまで聞くと確かにそのようですね。

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