人は自ら死期を選んで死ぬ? 植物状態の母親の霊視で分かった衝撃のメッセージ…霊能ライターが寄稿!

――巫女の家系に生まれた霊能ライター「田口ゆう」が暴露!

■植物人間の母と会話したい

 その時、筆者はいつもの鑑定よりも重い気持ちで、島津姉妹の依頼を受けた。島津姉妹の依頼は「もう2年、植物状態で病院に入院している母の希望が聞きたい」というものだった。今の法制度では、たとえ本人である「母」が安楽死を望んでいたとしても、それは叶えられない。その場合、筆者は霊能者として、依頼人に母が死を望んでいるということを伝えていいのだろうか。

 筆者は気が重くなった。

画像は「Getty Images」より引用

 依頼当日、姉・綾子と妹・恵子は、夏らしいワンピース姿で事務所に現れた。2人とも介護に疲れた様子で、表情は暗かった。

 綾子は「母は生きたいんでしょうか、死にたいんでしょうか。母が望んでいることを教えてください」と神妙な面持ちで話し出した。「お母様が死にたいと思っていた場合、現行の法制度ではお母さんの望みを叶えてあげることはできませんが、それでも、お母さんの気持ちをお知りになりたいですか?」と筆者は綾子に確認した。綾子は「それでも母の意向を知りたい。母ともう一度話したいんです」と筆者の目をまっすぐ見つめて言った。

 筆者にとっても、死者ではなく、「生者で植物状態」の方の霊視をするのは初めての経験だった。そのような状態の人間の意識を通して、何かが見えるのか、それとも何も見えないのか、迷いながらも筆者は目を閉じ、母・明子の姿を思い浮かべた。

 筆者の頭の中に「洋介さんを許してやって」という声が響いた。筆者は島津姉妹に「お母様は『洋介さんを許して欲しい』とおっしゃっていますが、『洋介さん』という方に心当たりはありますか?」と聞くと、島津姉妹は顔を見合わせ、「母は本当に許せと言っているのですか?洋介は父です。だけど、母が植物状態になったのは、父が母を殴ったからなんです。なぜ、母は許せと言うんですか? 許せるわけがないじゃないですか!」と恵子は泣きながら叫んだ。

 筆者はさらに続けた。

「『お父さんじゃない。(脳の)血管が切れたのは、運命だったから。お父さんのせいじゃない、もうお父さんを責めないで』とおっしゃっています。病院の枕もとで3人が喧嘩する声が聞こえているようです。お母様は3人が仲良くすることを望んでいらっしゃいます」

 綾子さんは「母は聞こえているんですか? そうです、筆者と妹は見舞いにきた父を責めました。お母さんを殺したのはあなただ! って。それ以来、父は見舞いにきたことはありません。今は私たち姉妹との交流はほとんどなくて、父は実家に一人で暮らしています」

 筆者が「お母様は仲直りして欲しいそうです。お父さんが殴ったことは直接の原因ではなくて、偶然、血管が切れた日にお父さんが頭を小突いただけだとおっしゃっていますよ。お母様のお願いを聞いて、お父さんを許せそうですか?」と聞くと、島津姉妹は「母がそう望むなら、父と和解をします」と泣きながら、うなずいた。

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