万物に霊魂が宿る「汎心論」が科学会の常識に!「ミトコンドリアは社会的生物」
万物に霊魂が宿る「汎心論」が科学会の常識に!「ミトコンドリアは社会的生物」学者断言、そもそも意識とは?
古来より八百万の神といわれるように、日本では万物に霊魂が宿るとするアニミズムが信仰されてきた。とはいえ、アニミズムに慣れ親しんだ我々日本人でも、木や石に“意識”があると心の底から信じている人はいないのではないだろうか? だが、米オンラインマガジン「Salon」(7月23日付)によると、科学界では徐々に万物に心が宿るとする「パンサイキズム(汎心論)」が注目されつつあるという。
米コロンビア大学アービングメディカルセンターの行動医学准教授であるマーティン・ピカール博士は、核を持つほぼすべての細胞に存在するミトコンドリアは、単に人間を生かしているだけでなく、さまざまな意味で独自の生命を持っており、おそらく「社会的な生物」だと大胆に主張している。
「ミトコンドリアは、社会的ネットワークにおける個人と同様に、細胞核と相互にコミュニケーションをとり、グループを形成して相互依存性を示し、行動を同期させ、生体内の特定の機能を達成するために機能的に特化している。ミトコンドリアは社会的な細胞器官である」(ピカール博士)
脳のないミトコンドリアに意識があるとはなんとも不思議な感じがするが、それは意識と肉体を分離する二元論に我々が馴染みきっており、真実だと信じ込んでいるからに過ぎない。哲学者のデビッド・スクルビナ氏は、「問題は、哲学者ではない一般の人々の多くが二元論者であることです。というのも、心や魂は、自分の肉体や身体とは別の存在であると信じているからです」と指摘している。だが、意識と肉体を分けてしまう二元論には問題が多い。意識の状態に対応する脳の物理的特徴を見つけることができれば話が早いが、スクルビナ氏によると、まだ成功してないという。
「意識のさまざまな状態の物理的な相関関係を実際に見つけることは、科学界の大きなフラストレーションの1つだと思います。私が知る限り、そして私が見た最新の研究でも、彼らはこれを見つけることができませんでした。このことは、意識というものが、ほとんどの科学者が考えていたよりも、そしておそらく認めようとしているよりも、より深い、あるいはより複雑な現象であることを示唆しています」(スクルビナ氏)
ここで、汎心論がその空白を埋めることになります。汎心論は、物理世界の既知の法則を回避しようとするのではなく、意識が物理世界の本質的な一部であると仮定して、意識の説明を試みる。ノルウェーの哲学者Hedda Hassel Mørch氏による汎心論の説明を見てみよう。
「汎心論は一般的に、すべてのものが全体として意識を持っているとか、それぞれが統一された意識を持っているとは考えません。基本的な粒子は、単純で統一された意識を持つでしょう。時には、この単純な意識が『結合』し、より複雑な形に統一されることがあります。これは人間の脳で起こることで、私たちは全体として統一された意識を持っています。しかし、テーブルや椅子のように、独立した意識を持つ粒子の単なる集合体では、おそらくこのようなことは起こらないでしょう」(Hedda Hassel Mørch氏)
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