事故や心霊現象が多発!子供の死体で埋め尽くされた死の遊園地「ハッピーランド」ヤバい現在

■お化け屋敷には腐乱臭を放つ子供の死体が

 都市伝説の舞台となったのは「お化け屋敷」――子供の死体がお化け屋敷内に何日も放置されて、腐乱臭を放っている――にわかに信じがたい噂は人々の伝言ゲームを通じて増殖し、ついにはサイコキラーの存在まで囁かれた。言葉たくみに遊園地へ子供を連れ出して楽しく遊ばせた後、閉園時間が近づくと喉をかっさばき死体を園内に捨てていく、その死体が「お化け屋敷」に放置されていたというのだ。

 

 事実、当時のバンコクでは子供を誘拐して売り飛ばすことを生業とする者もいた。このような噂は子供を心配する親にとって、教育として子供たちの心に恐怖と警戒心を植えつけるにはうってつけだった。かくして庶民のための遊園地ハッピーランドは「子供の死体で埋め尽くされた死の遊園地」として怖れられるようになった。

■悲惨な首はね事故が…

 もちろん噂は噂に過ぎない。ハッピーランドは営業を続けたが、さらなる悲劇に見舞われることになる。観覧車の窓から頭を出して外の景色を楽しんでいた子供の死亡事故が起きたのだ。観覧車の構造から突き出ていた鉄柱が、その子の首をはね落としたのである。この恐ろしくも悲惨な事故によりハッピーランドは閉園となった。

結局、ハッピーランドの営業期間は1976年から1980年までのわずか4年間だった。跡地は放置され荒地となっていたが、後に「ハッピーランド生鮮市場」として整備・再開発され、遊園地での凄惨な事故の記憶は時の流れの中で忘れ去られようとしている。ところがこの事故を忘れようにも忘れられない人々がいる。生鮮市場の近隣住民だ。曰く「夜になると子供たちの楽しそうな声が聞こえることがあるが、外に出て確かめても姿は見えない」。このような話がいまだにもれ聞こえてくるのだ。

 「アトラクションに乗って楽しんでいるときの急な事故だったため、死んだことに気づかずに、いまだにその場所で遊び続けているのではないか」「早く成仏して生まれ変われるといいのに」――大都会バンコクの混沌と喧騒の中、40年以上前の悲惨な事故の記憶は風化していく。近隣住民に子供の霊の声が聞こえるのは、近隣住民もまた遊園地ハッピーランドでの楽しい思い出があるからだろうか。死んだ子供の霊が「ハッピーランドで遊ぼうよ」と住民に呼びかけているのかもしれない。

文=バンナー星人

2004年よりタイ在住。バンコクの公立学校にてタイの高校生に日本語を教える傍ら、2017年に、高野山大学院通信課程密教学修士号取得。仏教とオカルトが織りなすアメイジングなタイの魅力にとりつかれている。

Twitter : @berialshunnya

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