超有名観光スポットに突如生首! 浮いた首なし遺体と謎の遺書…タイの外国人首吊り事件とは?

バンコクの名所、チャオプラヤー川とラマ8世橋(画像:Shutterstock)

――タイ在住歴20年の私バンナー星人が、タイ社会では馴染みの深い、妖怪、幽霊、怪談、呪術、占い、迷信といったものに光をあて、日本人の目には触れることが少なかったタイの怪奇世界に皆様をお連れします。

■ラマ8世橋から垂れ下がった首

 チャオプラヤー川で2つの地区に分断されているバンコクは、船に頼るしかなかった昔とは違い。現在では大きな橋がいくつも架けられ、車や電車での往来が普通の光景となっている。中でも「ラマ8世橋」はその美しいフォルムが有名で、チャオプラヤー川のリバークルーズではハイライトにもなっている。また、その橋を望むリバーサイド・エリアにはレストランが多数立ち並び、日本で話題のBLドラマ撮影地に選ばれたこともあり、「聖地巡礼」目当ての日本人観光客もいる。

 しかし華やかで賑やかな現在の姿とは裏腹に、過去「ラマ8世橋」で起きたあの恐ろしい事件について、日本では語る者がほとんどいない。

 10年以上前のある朝、コンビニで買い物し、レジ横の新聞に何気なく視線を移して驚愕した。「ラマ8世橋から垂れ下がった首!」――ショッキングな見出しと橋から長いロープに括られてぶら下がる丸い物体の写真が目に入った。ご丁寧に、その丸い物体の正体「生首」の拡大写真も添えられている。思わず目が合ってしまった写真の中の虚ろな目とその顔は、映画「SAW」のジグソーによく似ていた。今でもはっきりと覚えている。生首の眼差しを思い出しながら、当時の事件について情報を洗い出して渉猟してみた。

 2009年2月23日付の新聞における事件第一報には、このようにある。「ラマ8世橋から吊り下げられた白人男性の首は鋭い刃物で切断された模様、男性の身元は調査中」とのことだった。浮いていた首なしの遺体は回収されたが、身元を判別できるものは何も見つからなかった。そこで警察は顔写真を持って、白人旅行者が利用しそうなカオサン地区のゲストハウスや、ゴーゴーバーがひしめくナナ地区で聞き取りを開始。しかし、すぐには有益な情報を得られなかった。

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