【パンデミックと新宇宙時代】ビル・ゲイツが民間宇宙事業を批判!
【パンデミックと新宇宙時代】ビル・ゲイツが民間宇宙事業を批判! イーロン・マスク「インスピレーション4」の裏側(ケロッピー前田解説)
そういう意味で、インスピレーション4のミッションは、理想的な宇宙の旅に相応しい内容である。ドキュメンタリーを見れば、緊急事態の際の対応能力や身体に過剰な負荷のかかる訓練など、誰でも行けるというものでもないこともよくわかる。それでも、宇宙がとても身近なものになりつつあることは事実である。そのことをすごく具体的に見せてくれた点で、インスピレーション4は民間人が宇宙へと出ていくための第一歩となったことだろう。
ここでひとつ、ドキュメンタリーでは触れられなかったトラブルがあったことを報告しておきたい。ニュースなどでは報じられていたが、実はトイレが壊れたのだ。滞在が長くなれば、ずっとオムツで済ますというわけにはいかない。クルードラゴンのトイレは、天井の横あたりに逆さ向きについており、無重力状態であれば、それで全然問題はない。ただし、ドアはなく、カーテンという。今回は大事に至らなかったが、たとえば、1965年のジェミニ7号では、大量の汚物が宇宙船内に漂ってしまい、トイレ臭が充満した最悪の状態になったという。今回は、しばらくトイレが使えなくなっただけだったが、今後の改良が望まれるところだろう。
もうひとつ、よく指摘されていることではあるが、民間宇宙事業はお金がかかりすぎるということだ。さらには、インスピレーション4のドキュメンタリーはよくできているが、Netflixが独占したために、恣意的にまとめられ、他のメディアにはあまり取材の自由が与えられなかったこと。そして、「誰でも宇宙に行ける時代が来る」とアピールしているが、結局は富裕層の遊びであって、彼らはその費用を稼ぐために市民から搾取することが正当化されてしまわないだろうか。加えて、民間企業が行き当たりばったりに宇宙に進出していくことで、宇宙を含めた環境破壊がさらに進んでしまうのではないかともいう。
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