「また自殺か…」近隣住民 若者が次々と死んでいくラマ8世橋と有名モデルの死
遺体を引き上げ、病院搬送時のことである。搬送車のスタッフが車から降りてきて、親友Bに「お友達に、もう病院に行くよ、って言ってあげてくれませんか」と頼んできた。車のエンジンが何度試してもかからない。訝りながらも親友Bは冷たくなったモデルAの足をつかんで「お前を見つけようと懸命に動いてくれた人をこれ以上困らすなよ。お前がやったことのせいでみんなヘトヘトになってるんだから」と諭した。すると車のエンジンは何事もなかったかのようにかかった。これが最初の不思議な現象だった。
翌日、モデルAの葬式でも目を疑うようなことが起きた。親友Bが車を運転し、葬式会場をあとにしようとしたときのことだ。サイドミラーにAが自分を見送るように立つ姿がハッキリと見えたという。さらに親友Bの友人もAの霊を目撃している。自宅窓から漏れる薄明かりの中、飼猫の頭を撫でるモデルAを目にしたという。立て続けに起こる怪奇現象に、親友BはモデルAの霊が未だ現世を彷徨っていると確信した。しかもモデルAの霊は目撃されるときはいつも、黒のタンクトップに半ズボンのGパン、橋から飛び降りたままの姿だったのだ。
別室にいた霊能者リウ氏に与えられた情報は、いつものように相談者BとモデルAの名前、誕生日、住所だけである。しかし、リウ氏はその数字の並びから、Aが鬱病で自殺したこと、BがそんなAを案じ、別れを惜しんでいることを読みといた。さらに驚くべきことに「モデルAの霊がすでにスタジオに来ている」と言い、「靴を脱いで濡れた姿で立っているから、おそらく水に飛び込んで亡くなったのだろう」と推測した。
その後、別室のリウ氏がスタジオに合流。リウ氏は自分のリーディングがほぼ間違いないことを確認し「彼はこのスタジオに来ていますよ」とBに伝えた。「何?」と突然モデルAの霊と会話し始めるリウ氏。その姿は、司会者や相談者と話すのと変わらない冷静な口調である。そして親友Bに向かって語る。「彼はあなたの出家式でタンブン(喜捨による徳積み)をしたことが一番の思い出だと語っていますが、間違いないですか?」親友Bがスタジオで明かしていないことまで言い当てた。
Bは驚きとともに、「彼を助けてあげたいのですがどうすればいいですか」とリウ氏に質問。仏教国であるタイでは、寿命を全うしない自殺は罪業である。自殺者はその業による苦しみを抱えて彷徨い、普通の人間と同じように、すぐに生まれ変わることはできない。その苦しみを和らげられるのは、家族や親しい人間から徳を分け与えてもらうことしかない。それゆえ「早くに両親を亡くしたモデルAは、一番親しいBからの徳を待っている」とリウ氏は語った。
友人を自殺で失ってしまった人間として、一人でも多くの若者が自殺を思いとどまるように、世の中に積極的に発信していくこと、それがあなたの徳積みとなります。その徳をAに分け与えてあげることが可能です。それによってAの苦しみも少しは和らぐと思います
今宵もラマ8世橋は、その堂々たる美しい姿で人々を魅了する。しかしその美しさには、何人もの若者を飲み込んできた魔力が今も潜んでいる。
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2024.10.02 20:00心霊「また自殺か…」近隣住民 若者が次々と死んでいくラマ8世橋と有名モデルの死のページです。怪事件、怪談、タイホラー通信などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで