転売ヤーが闊歩する日本の現代アート界の悲しい現状! 展示会で起きたヤバい事件を取材

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 日本最大級のアートフェア「アートフェア東京」が手がける「artTNZ」が今年の9月17~21日にアートの街・天王洲アイルで開催された。このコロナ禍の中での開催とあって、事前に「一般社団法人日本防疫技術協会」監修の独自顔認証アプリで来場者をチェックする対策も取られた。そんな状況の下、奇妙な“事件”が起こった。

 通常、このような大規模なイベントが行われる場合、プレス枠はVIPより先に入れる。勿論人は少ないので、撮影などもしやすい。しかし、この日は、プレス時間に全身ブランド物で固めた男性2人組がやって来た。しかし、なんだか様子がおかしい。まず、彼らの格好がプレスっぽくない。撮影に必須となる最低限の装備さえない。デジカメなど身につけておらず、レア物のおしゃれなブランド物のバックを下げている。名刺を頂戴したら「税理士」だった。「今日は大阪から来ましました~。僕は600ものギャラリーの税理士の顧問をしてるんです。アハハ……」。おいおい、国内のコマーシャルギャラリーは150程度だぞ。あ・や・し・い。

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 しばらく様子を伺っていると、その2人組は、現ナマ片手にアートを爆買いし始めた。それも“プレス”の時間にだ。ふと辺りを見わたすと、いつもに比べてプレスの人間が少し多い。そして、みんなカメラなど下げておらず、そわそわと買いあさっている。気がつけば、“プレス”の時間のはずなのに、赤丸のシールが次々と貼られていく(アートが売れると赤丸のシールが貼られる)。

 プレスの時間はプレスのために用意されているものだ。“撮影のため”にVIPより先に入れるようになっている。それなのにも関わらず、このような光景が繰り広げられた。

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 ある若手作家の作品は5万円の価格がつけられていた。通常の値段だ。しかし、人気沸騰のため、抽選販売になった。30枚のエディションのところに大勢の応募が殺到。複数のギャラリストに話を聞くと、「どうも普段見ない輩がプレスの時間に忍び込んで、買うのが困難なアート作品を狙って買い始めていた」という。

 最近、アート作品の転売が表面化しているが、ここで購入された作品は、ネットオークションにすぐ転売されて高値で売られるのだ。狙いとなっているのは、5~10万円の作品で、それを100万円前後で売る。物によっては、120万の値段がつけられることもある。シルクスクリーンの作品は、5万円くらいで買えるので人気だ。雑誌のブルータスに載ってから、人気が爆発した作家もいる。超有名ギャラリーは、逆に成熟しすぎているので、ガランとしているような状態だ。笑えない。

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