喫煙は「3世代先まで悪影響を及ぼす」ことが判明! まるで呪いのよう… 現世の健康被害に留まらないタバコ(最新研究)
喫煙の影響はひ孫まで続く可能性が判明したという。「Science Alert」(1月25日付)が報じた。
英ブリストル大学の疫学者ジーン・ゴールディング氏らが、90年代初頭に始まった妊婦とその家族を対象とした観察研究「Avon Longitudinal Study of Parents and Children」のデータを分析したところ、喫煙がもたらす子孫への悪影響が見えてきたという。
たとえば、11歳以前に喫煙を始めた父親の息子は、思春期にBMIが高くなり、ウエストが太くなり、全身の脂肪量が増加する傾向があることが明らかになった。さらに、この現象は父親から息子だけでなく、祖父から孫娘、さらには曾祖父からひ孫娘へと、世代を超えて広がっていることが分かったというから恐ろしい。
論文によると、父方の祖父が思春期前(13歳未満)に喫煙を始めた場合は、幼少期(13~16歳)に喫煙を始めた場合と比べると、その孫娘は17歳と24歳で過剰な脂肪量を示すことが明らかになったそうだ。ただし、不思議なことに男孫の場合はそうした傾向が見られなかったという。また同様の傾向は、曽祖父とひ孫娘にも見られたという。曽祖父が13歳未満で喫煙を始めた場合、そのひ孫娘は17歳と24歳で過剰な脂肪量を示したそうだ。男のひ孫にはその傾向はなかったという。
研究結果についてゴールディング氏はこう話している。
「思春期以前にある少年が特定の物質にさらされると、その後の世代に影響を及ぼす可能性がある。子供が太りすぎる理由の一つは、現在の食事や運動とはあまり関係なく、むしろ先祖のライフスタイルや長年にわたる関連因子の持続にあるのかもしれない」
研究チームは、さらに多くの研究が必要であるとしており、また、元にした研究データの回答者が両親や祖父母の子供時代や環境について認識しているかどうかについて、多くの欠落データがあったことなど、今回の分析は完全なものではないとのことだが、それでも自分たちの研究が世代を超えた、非遺伝的な影響を示す初めての証拠であると考えているという。まるで呪いのような話だが、社会における禁煙の流れをさらに加速させることになるのか、今後の研究に期待したい。
参考:「Science Alert」、ほか
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