謎の暗号メモと“全てが不可解”な死… FBIが諦めた未解決「リッキー・マコーミック事件」の怪

謎の暗号メモと全てが不可解な死… FBIが諦めた未解決「リッキー・マコーミック事件」の怪の画像3
「Yahoo! News」の記事より

 FBIの暗号解読チームとアメリカ暗号協会が解読を試みたが何も手掛かりはつかめず、文字列はまったくの謎のままであった。

 どういうわけかこの一件については当初から秘密にされていて、遺体発見の12年後になる2011年3月29日まで公表されることはなかった。被害者の家族でさえ、このメモについては何も知らされていなかったのだ。

 遅ればせながらこのメモの存在を知らされたマコーミック氏の家族は、このメモを書いたのは彼であるはずはないとコメントした。なぜならリッキー・マコーミックはほぼ文盲で読み書きができず、自分の名前を書くことすら難儀していたのである。母親でさえ自分の息子は知能の発達が遅れていたのだと認めているという。

 この一件で不名誉にもほぼお手上げとなったFBIはこのメモの解読の協力者をウェブサイトで募ることすらしたのだが、それでも解明の糸口すら見つからず人々を困惑させるだけであった。

 詮索好きな人々からさまざまな解釈が語られるようになり、統合失調症の人物による無意味な殴り書きであるという感想から、このメモは麻薬の売人による取引きの符丁(暗号)であるという説、あるいは政府による国家的陰謀の一端であるなどのさまざまな解釈が飛び出すことになった。

謎の暗号メモと全てが不可解な死… FBIが諦めた未解決「リッキー・マコーミック事件」の怪の画像4
「Mysterious Universe」の記事より

 人々の唯一のコンセンサスらしきものは、このメモはマコーミック氏が書いたものではなさそうだという点である。しかしながら、FBIはマコーミック氏が書いた可能性が高いと考えているようだ。

 結局のところ20年にも及ぶ議論、分析、検証の後であっても、このメモの文字列が何を示しているのか誰にもわからないままである。メモの謎をはじめ他殺なのか自殺なのか、あるいは事故死や病死であったのか、他殺であるとすれば誰がどんな目的で殺害したのか、また遺体が埋められずに国道から見える場所に放置されていたのは何故か、この「リッキー・マコーミック事件」はまったく雲をつかむような最も不可解な未解決事件の1つとなっている。真実を知るのは亡くなったマコーミック氏ただ1人ということになるのだろうか。

参考:「Mysterious Universe」、「Yahoo! News」、ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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