【デニ怖YouTube30万再生】都内最恐心霊物件“ヨコザワ・プロダクション”とは? 怪奇現象の詳細!
[約30万再生回数!デニスの怖いYouTube番組で取り上げられて超話題!
幽霊物件ヨコザワプロダクションのオーナー・横澤丈二連載コラム!02]
<※これまでの横澤丈二・連載記事はこちら>
自分で俳優の育成スクールを設立して2年が経った1992年の夏…。ようやく自社の稽古場が持てたと思ったら、大家から“壮絶な一言”を告げられ、「ああ、このビルのエレベーターには幽霊が出るんだな」と思い知らされた。
まさかとは思ったが、自分自身もエレベーターで顔が陥没した女に出会ってしまったのが、前回までのお話。それでも「エレベーターさえ気をつけていれば、そんなに怖くはないか…」と考える楽観的な自分がいたのだが……。
・第一回記念公演の稽古中の出来事
劇団発足の第一回記念公演を「旗揚げ公演」というのだが、ヨコザワ・プロダクションもこの旗揚げ公演を開催することに。その公演の演目は原作ウィリアム・ゴールディングの【蝿の王】に決めた。この【蝿の王】とは、簡単にいうとキリスト教における悪魔の蠅「ベルゼブブ」のことである。時は近未来、第三次世界大戦中、富裕層の子供たちが乗っていた飛行機が攻撃され、無人島に不時着するところから物語は始まる。生存者は6歳から12歳の15人の少年たち……。全く大人のいない社会で15人の子供たちが救助を待ちながら生活していく物語である。その過程で、見えない蝿の王こと、悪魔ベルゼブブによって子供たちが操られるかのように殺し合うという恐ろしい話だ。
なかなか深い作品なのだが、その稽古の最中…起きてしまった!
・稽古中に幽霊に取り憑かれた!?
子供たちが洞窟内で見かけた怪物への生贄として豚の頭を差し出すシーンがある。その豚を叩き殺すシーンで主人公を演じていた男性俳優が突然泡を吹きながら何かに取り憑かれたように小道具の槍を奇声を上げながら床に叩きつけたのだ。鬼気迫る芝居だなと見ていると彼は豚を殺した後も気が狂ったように槍を床に叩き続けているではないか……。私が「ストップ!」と止めに入るが彼の動きは全く止まらない。結局、共演者たち4・5人で押さえつけるようにして、ようやく彼の動きは止まったのであった。騒然とする稽古場の中…彼はハッと我に返るとこう言った。
「ここ…どこですか?」
その一言に心配していた共演者たちの表情は一瞬にして恐怖へと変わる。彼はたった今、狂ったように床に槍を叩き続けていたことを全く覚えていなかったのだ…。
・この作品には何か魔物が宿っているのではないか?
その瞬間、俳優たちと脚本・演出を手掛けている私の脳裏に浮かんだことは今でも鮮明に覚えている。「このまま稽古を続けていいのだろうか……」しかし、そこで稽古を中止にしてしまえば旗揚げ公演自体も中止になってしまう。だから、役に入り込みすぎておかしくなったのではないか? という笑い話にしてその場をやり過ごした。
・憑依する俳優続出! 宿っているのは一体何者?
しかし、恐ろしいことに稽古を重ねるごとに憑依する俳優の数が増えていくのである。その憑依の仕方がどう考えても普通ではなかったので、
「この作品は本当に上演していいのか?」
と迷い始めた私だった。そんなある日のこと、稽古中に下の階に入っていた雀荘屋の店長が突然我々の稽古場を訪ねてきたのである。
・下の階からの苦情
雀荘屋店長(以下、店長)「何やってるのか知らないけどさ、奇声みたいなのを上げるのは他の階でもいるからいいんだけど、ただドンドン叩くのは止めてくれないか? お客が麻雀に集中出来ないから商売上がったりだよ!」
確かにそうである。このビルはキックボクシングや空手道場、更にはカラオケ道場も入っていたので、声はまだ良いとしても床を狂ったように小道具の槍で叩き続けているとなれば、そりゃ苦情もくるか…と。そんな苦情がきたこともあり、私は稽古場の床に防音材を敷き詰めることを決意する。正直なところ、会社の設立や稽古場の契約、それから舞台公演にとかなり経費が掛かっていたので、予定外だった防音材の工事は懐的に厳しかった。しかし、これ以上周りに迷惑をかけるわけにはいかなかったので、稽古を二日間丸々休みにして防音材を敷き詰める工事を業者にお願いしたのであった。
無事に工事が終わり、防音材が床に入ったことでもう騒音の問題は解消しただろうと私は安堵していた。
工事が終わった後の稽古日、その日は午後からの稽古だったが、私は1人で午前中から稽古場にいた。今後のことや、俳優たちの憑依現象など、問題についてじっくり考えたかったのだ。すると、いきなりドアをノックする音がした。やる気のある俳優が自主的に稽古をする為に早めに来たのか? と思いドアを開けたのだが、そこに立っていたのは俳優ではなく、雀荘屋の店長だった…。
・「お宅さ、いい加減にしてくれない? 夜中に稽古するの」
この一言が突然きたのである。
店長「夜中までドンドンやられたら迷惑なんだよ」
私「それはいつの夜中ですか?」
店長「ふざけたこと言ってるんじゃないよ」
私「ふざけたこと?」
店長「一昨日も昨日も毎晩やってたじゃないか。夜中にあんまりドンドンやるもんだから、うちのお客さんが怒っちゃって仕方がなかったんだ。それでここに文句を言いに来たら、示し合わせたようにシーンとしやがって、いい加減にしてくれよ。随分タチの悪い連中だね」
私「ちょっと待ってください。一昨日から二日間は稽古が休みだったんで誰一人この稽古場に通っていませんよ」
店長「ああ、そう。今度はそう出るかい。もしかしてあんたたち、如何わしい宗教でもやってるんじゃないの?」
私「いや、どう思われるかは勝手ですけど…下の階に迷惑を掛けないようにこの二日間防音材を敷く工事をしていたんです。工事の人は出入りはありましたけど、真夜中まで作業をするような業者はいませんよ」
店長 「防音材なんて敷くはずないじゃないか! 本当に気持ちの悪い連中だよ。あんたたちはそうやって一致団結してやってませんって言うんだ。いつ何時俺たちが文句言いに来ても…ピタッと音を止めるしな」
その言葉で私はこう思ったのである。まずい…この作品に魔物が宿っているのではない、うちの稽古場に魔物が宿っているのだ……!
・決意
結局、私はこう決意した。
「この稽古場に魔物が宿っているなら、どの作品をやっても今後同じ様なことになるだろう。運命だと思い、この【蝿の王】は予定通り上演しよう」
それからも度々雀荘屋の店長に怒られながらも稽古を続けた事は今でも覚えている。これは後から聞いた話だが、苦情を受けたその日の夜中も我々が帰った後にドンドンと音がしたらしい。結局、防音材なんて何の意味もなかったのである。この一連の経緯を大家に説明しようとした時に案の定、雀荘屋の店長もまた大家に苦情を言いに来ており鉢合わせすることになるのだが、この時の大家の一言がまた壮絶だった…。大家はまず雀荘屋の店長に向かってこう言った。
「雀荘屋って言ったって怪しげな商売もしてるんだから、このうるさいビルじゃ真夜中に音がするくらい当たり前だっていうことで、もう手打ちにしてちょうだい。それ以上文句を言うなら家賃を上げるわよ。あんたが入ってきた時よりこの辺の価値は上がってるんだから、新しく入ってきたテナントさんたちと同じ家賃にしちゃうわよ」
その言葉に雀荘屋の店長は苦々しく「我慢しますよ」と言い、そそくさと帰っていったのだった。残った私に対しては
「あんたたちが楽しそうに演劇やってたから、ここら辺にいたお化けたちが一気に集まってきたんじゃないの? ガハハハ! まぁ頑張ってよ」
なんじゃその反応は……? である。
・後日談
この【蝿の王】の公演は今は無き銀座小劇場で上演されたのだが、銀座小劇場始まって以来の観客動員数を叩き出した。おまけに今は亡き大作家、早坂暁先生も奥様と一緒に観に来られ「これはめちゃくちゃ面白いよ!」と絶賛してくださった。その影響のおかげで当時出来たばかりの東京芸術劇場に翌年の6月、招待公演としてまたこの【蝿の王】を再演することが出来、願ったり叶ったりの出来栄えだったのだ。
この稽古場は都合良く言ってしまえば色んな試練を与えてくれるし、もう駄目だと思っても諦めなければ良い結果が必ず訪れると教えてくれたような気がする。その都合良く思えた自分というのは、この稽古場に出会うまでに自身が幼少の頃、毎日のようにいじめられり、大人になってからも馬鹿にされたりしてきた経験があったからだ……次回に続く!(ヨコザワ・プロダクション)
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※トカナが横澤さんにインタビューした記事はこちら
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