【日本最恐の心霊物件】オカルトの棲む稽古場、新連載! オーナーが見た「陥没した顔の女」
【日本最強の幽霊物件オーナー・横澤丈二新連載!】
はじめまして。脚本・演出・監督を務め、俳優育成スタジオのオーナーでもある横澤丈二です。この記事では、現在に至るまでの30年間、自身の稽古場で起こったオカルトと演劇の凄まじい体験を、私の記憶のあるうちに、書き記していきたいと思う。
今回は、幽霊物件である弊社の演劇の稽古場に入居したての頃に起きた現象について書く。ここは30年間、怪奇現象が起こらない日の方が少なく、見ようと思えばいつでも怪異が体験できる場所だが、なぜ私がそのような事故物件と呼ばれてもおかしくないような場所を30年も借りているのか……? その裏には、入居当初に言われた、大家の“ある壮絶な一言”があった。その一言によって私は自分の好奇心と創作意欲を掻き立てられ、この場所を借り続けるのであった。
・世田谷区のとある雑居ビル
1992年、私は世田谷区にある古びた雑居ビルの4階に稽古場を構えることになる。まず最初に違和感を覚えたのは“各階の間取りが全て違う”ということだった。そのビルの2階には空手道場、3階は雀荘、5階はキックボクシングが入っていた。多少の違和感はあれど、賑やかなビルだったので、大声で演劇の稽古していても周りから文句を言われたりしないうってつけの場所だと思い、私は契約をすることになったのだった。でも、まさかそれがこんな部屋だとは……!?
* * *
「うちのビルさ、エレベータにお化け出るけど気にしないでね」
そのビルの屋上に一人で住んでいた女性の大家は初めて会うなり、そう言い放った。
・エレベーターの中の女性
そのお化けは晴天の日によく目撃されているそうだ。雨も降っていないのに黄色いレインコートを着てエレベータの中に立っているらしい…。
「もしその姿を見てしまったら、それはこの世の物ではないから話しかけない方がいいよ」と大家さんは言った。そして、
「でもね、一番怖いのは人間なんだから。そんなこと芸術やってる貴方ならわかるでしょ?」と言って豪快に笑い飛ばしたのであった。しかし、この話を聞いた3日後に私はその異次元の者と対峙することになるのだった……!!
・異次元の者と対峙
その日は晴天だった。私は1階でボタンを押し、上にいたエレベータを呼んだ。扉が開くと、まず目に入ったのは床が濡れていることだった。そして、奥に人が壁にへばりつくようにして後ろ向きで立っているではないか……! 右手にモップを持ち、左手にプラスチックのバケツを持って立っている中年の女性……。一見、掃除のおばさんに見えるのだが、その人物は黄色いレインコートと紺色の長靴を履いているのであった。その女性は1階でエレベーターの扉が開いても降りてこなかったので、仕方なく私はそのエレベーターに乗った。中に入るとボタンはどの階も点灯していなかった。4階のボタンを押してそこに着くまでの間、私が考えていたのは「声をかけたらどうなるのだろうか?」 ということだった。
あっという間にエレベーターは4階に着いた。私は降りるとエレベーターの方を振り返った。中の女性は微動だにしなかったが、透けることもなく、確かに目の前に存在していた。もしかしたらこれが最後で二度会えないかもしれない……と思った私は「お掃除ご苦労さまです」と咄嗟に声をかけた。すると……!?
・ゆっくりと振り返る女性の幽霊!
エレベーターの扉が閉まっていく中、無言でゆっくりとこちらに振り返る女性。しかし、振り向き方がどうもおかしい……。普通振り向く時は体をひねり、顔と一緒に肩口がこちらの方を向くはずだ。しかし、その女性の体は綺麗に後ろを向いたまま、顔だけでこちらを見てきたのだった! その姿はまるで映画【エクソシスト】に出てくるリーガンのようだった。扉が閉まる直前に女性の顔が見えた。しかし、その顔は陥没しており、陥没した顔の奥にキラリと光る2つの目があったのである。そして不思議なことにそのエレベーターはそのまま4階に留まることもなく、スーッと上の階へと上がっていったのだった……。
* * *
・後日談
これはさすがに今まで(もともと幼少期から霊感があった)自身の怪異体験の中でも相当レベルが高い体験だったので、すぐさま屋上に住む大家に会いに行きたかったのだが、女性の乗ったエレベーターが上に上がっていくのを見てしまっているので、なかなか屋上に行くことができず、私が大家と話をするのはかなり後になってからだった。
大家に会うと、開口一番「ああ、見たの。話しかけるなって言ったじゃない」とあっけらかんと話されたことは今でも印象に残っている。
「出るものは出るんだからしょうがないじゃない。理由がわかっていれば私だって世話ないわよ」
「出るもんは出る」という大家の壮絶な一言に震えながらも、「とんでもなくおもしろい場所に稽古場を構えてしまったな」とどこか胸が躍る、ややクレイジーな自分がいたのも事実だった。その後、まさか自身の稽古場内でも怪奇現象が起こるとは思いもよらなかったのである……次回に続く!
★稽古場の様子がデニスのYouTubeでアップされましたので、ぜひ御覧ください!↓
※トカナでのこれまでの「ヨコザワ・プロダクション」インタビュー記事はこちら
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