フセインの血液27リットルで書かれた「ブラッド・コーラン」とは!? 完全に封印された恐怖の“置き土産”
2006年に処刑された元イラク大統領のサダム・フセインにまつわる不気味すぎる“置き土産”にイラク国民は困惑している。それはフセインの血液で書かれた聖典「ブラッド・コーラン」だ――!
■独裁者の血液で写本された“ブラッド・コーラン”
コーランは約1400年前に書かれたイスラム教の聖典であり、預言者ムハンマドによる大天使ガブリエルの言葉が含まれていると考えられ、元々は口頭で伝承されてきたが、後に信徒たちによって記録に残されて編纂され、一冊の聖典となった。
たとえ写本や印刷物であったとしてもイスラム教信仰の最も神聖なテキストとなるコーランだが、イラクではこの20年もの間、秘密の金庫に厳重に保管されたまま誰も触れようとしない不気味過ぎる一冊がある。それこそが、処刑されたフセイン元大統領の血液をインクに用いて写本された「ブラッド・コーラン」だ。
イラク政府は、元大統領の恐ろしい遺産であるこのブラッド・コーランを将来的にどうするかについて困惑しながらも検討を重ねている。独裁者の血で書かれたとしても、それはれっきとした聖典なのだ。
1997年に自身の60歳の誕生日を記念してサダム・フセインは自分の血液でコーランを写本するようにと書家に依頼した。コーランの6,000節と33万6,000語を書くためのインクとして、フセインは随時採血して血液を書家のもとへ届けた。完成までに要した血液の総量は24~27リットルに及んだとされている。そして、そのブラッド・コーランは2000年に完成したのである。
完成した聖典を受け取った2000年にフセインは、多くの陰謀と危険を乗り越えられたことを神に感謝するために写本の作成を依頼したのだと説明している。
「私の人生は、たくさんの血を流すはずの危険に満ちていた。しかし、私はほんの少ししか血を流していない。そこで感謝の気持ちから私の血で神の言葉を書くよう頼んだ」(サダム・フセイン)
しかし、このフセインの思いつきは当初から宗教的および政治的な論争を呼んでいた。イスラーム法では人間の血液は儀式的に汚れていると見なされており、その汚れた血で神の聖なる言葉を書くことは絶対に禁じられているというのだ。しかし、いったん作成された聖典の破壊も禁じられているので、このブラッド・コーランの扱いには当局も困惑せざるを得ない。
2000年9月の式典でこの不気味な聖典がフセインに引き渡された後、バグダッドのウムアルクラモスクに収蔵された。モスクの複合施設内の人工湖にある六角形の大理石の建物に展示され、招待された訪問者だけがそれを見ることができる手筈がとられていたのだ。
ブラッド・コーランは2000年にアラブ首長国連邦(UAE)とサウジアラビアの宗教当局によって非難されたが、2003年にフセイン政権が失墜した後、ブラッド・コーランは公の場から姿を消した。モスクの管理人は、聖職者や政治家がこの厄介な遺物をどうするか最終的な判断をするまで、ブラッド・コーランを保管することにしたのだ。この後、この不気味過ぎるブラッド・コーランはどのような運命を辿ることになるのだろうか。
■破棄か保管か、困惑しつつ議論を続ける当局
フセインから依頼されてブラッド・コーランを手がけた書家のアル・バグダディ氏は現在アメリカで暮らしており、この恐ろしい仕事について思い出したくないと話している。一刻も早く忘れたい人生の“黒歴史”であるということだ。
そして、このままブラッド・コーランを放置しておくわけにもいかないことから政府当局でも対策を考えねばならない事態になっている。
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2024.10.02 20:00心霊フセインの血液27リットルで書かれた「ブラッド・コーラン」とは!? 完全に封印された恐怖の“置き土産”のページです。イスラム教、独裁者、イラク、サダム・フセイン、ブラッド・コーラン、聖典などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで