宇宙人に通じる言語「Lincos」で書かれた詩集の“裏の目的”がヤバい! 異星間交流ではなく…!
エイリアンとコミュニケーションを図るにはどんな言葉を使ったらいいのか? そして、このような試みは人類にとってどのような意味を持つのか? 今も科学者間で真剣に議論が交わされているテーマなのだ――。
■宇宙言語で書かれた“詩集”
幾多のサイエンスフィクションで題材にされているエイリアンとの遭遇と交流だが、もちろん科学の世界でも真剣に議論されている。
1960年にオランダの数学者ハンス・フロイデンタールは世界初の“宇宙言語”である「Lincos」を生み出し、地球外知的生命体とのコミュニケーションという課題を一歩前進させ、議論の礎を築いた。
その後も科学者たちによってLincosを用いたさまざまな試みが行われてきたのだが、英ローハンプトン大学のデジタルメディアの上級講師でありデジタルアーティストであるリチャード・カーター氏が、Lincosを用いた“詩集”を最近発表して話題を呼んでいる。
その詩集の名は『Signals』。カーター氏は米メディア「VICE」の取材で次のように話している。
「フロイデンタールのLincosは非常に珍しいアイデアで、魅力的に感じました」
「そこには、数学・科学・原子など(地球外文明との)コミュニケーションの共通基盤となり得る事柄以上のものが含まれているのです」
「地球外文明とのコミュニケーションという側面はあるのですが、フロイデンタールは実際それにはあまり興味がなかったのです」
「フロイデンタールは、記憶・道徳・競争をはじめ地球人の本質に関するあらゆる要素を、少なくとも彼が見ているように、数学と論理を使って伝えることに興味がありました。その様式と内容が、(地球外文明とのコミュニケーションを図る)他の試みとは全く異なるように思えました」(カーター氏)
カーター氏によると、Lincosは実はコミュニケーションに特化した言語ではなく、言語表現による芸術的かつ文芸的な側面があるというのだ。そこに着目したデジタルアーティストであるカーター氏が、Lincosを使って詩集を作ったということのようだ。
■エイリアンへの呼びかけは表現活動
さまざまな波長の無線信号を言葉としてレンダリングしたフロイデンタールのLincosだが、実際に1999年と2003年に行われた星間無線メッセージ送信プロジェクトである「コズミックコール」で活用された。
カーター氏はLincosのこの経緯に共鳴するとともに、『Signals』というタイトルには、2つの意味 ―― 人間が地球外文明と接触するために送信する“人工的な信号”という意味と、さまざまな宇宙現象が観測可能なデータとして我々に届けられる“自然的な信号”という意味 ―― これら2つの意味が込められているという。
そして本書に含まれる各詩には、地球外生命を探しているケプラー望遠鏡から送られてきたデータ(恒星の光度曲線)をピクセルで視覚化した画像が添付され、そのコンセプトや(テキストの)読解方法が示されているという。
「私は、詩とこれらの画像を組み合わせて、宇宙的なスケールでのコミュニケーションであることを強調したかったのです。そしてこのような試みこそ、現時点において最も恒星間航行に近いものと言えるでしょう」(カーター氏)
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2024.10.02 20:00心霊宇宙人に通じる言語「Lincos」で書かれた詩集の“裏の目的”がヤバい! 異星間交流ではなく…!のページです。エイリアン、地球外知的生命体、宇宙言語、Lincos、詩、文芸などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで