本当は超怖い「お盆」の由来! もがき苦しみながら目玉が飛び出て… 有名住職が解説!
コロナ禍とはいえ、久しぶりに行動制限がないお盆の最中にある日本列島。ところで、読者は改めてお盆の由来についてどれくらいご存じだろうか。お盆とは神道の先祖信仰と仏教の「盂蘭盆会(うらぼんえ)」という行事が融合したものに、道教の影響も受けているといわれる。
このお盆の起源となった盂蘭盆会とは、日本では7世紀から旧暦7月15日を中心とする4日間にわたり行われてきた仏教行事であり、中国や台湾では中元節、香港では盂蘭勝会などと呼ばれている。そしてもちろん盂蘭盆の語源はサンスクリット語なのだが、実はこの言葉の背景には恐ろしいエピソードが秘められているという。光寿院住職の酒生文弥氏に詳しく教えてもらった。
■お盆の由来は「逆さ吊りの刑」!?
酒生文弥(以下、酒生) お釈迦様の十大弟子に目犍連(モッガラーナ)という神通力に優れたマガダ国の僧侶がいました。
夏のある晴れた日、 目犍連は亡母を偲んであの世を透視したところ、良妻賢母で有名だった母親が、なんと餓鬼道に墜ちて「逆さ磔」の責め苦に会っていたのです。数日もがき苦しみながら目玉も飛び出て死に至る、残虐極まりない刑罰です。
この逆さ磔をサンスクリット語で「ウランバーナ」と言い、その音訳が盂蘭盆会(うらんぼんえ)、略してお盆となりました。
――お盆の語源は、残酷な刑にあったのですね!
酒生 目犍連は「母親を救ってやりたい」と、お釈迦様に相談しました。すると、お釈迦様はこう説かれたのです。
「お母さんは優しい人だったけれども、あなたを溺愛するあまり、他の人々に平等に接しなかったから餓鬼道に墜ちてしまいました。救ってあげたければ、 7月15日(旧暦。現在は8月)に、僧侶たちに平等に食事を差し出しなさい。その食事の一部が、地獄にいる母親の口にも届き、苦しみから解放されるでしょう」
目犍連がそのお言葉通りにすると、母親は極楽浄土へ昇り成仏することができたといわれています。なお、目連によって餓鬼道から救われた母親は、歓喜の踊りを舞いながら昇天していき、これが「盆踊り」の起源ともいわれます。
――つまり、盆踊りはもともと死者と踊ることなのですね!
酒生 さらに、お釈迦様はこの時期に、ご先祖を心を込めて供養すれば、その功徳によって多くのご先祖が逆さ吊りの苦しみから救われ、現世に生きている人も幸福を得る事ができるだろう、とお説きになられたのです。キリストが十字架にかかって人間を「贖罪(redemption)」されたお話にも通じるものがありますね。
皆さまが何気なく過ごされている幸せな日常には、先立たれたご先祖・ご友人の「お陰様」すなわち「冥衆護持(目に見えないお守り)」があることに感謝しながらお盆を楽しんでください。
――ありがとうございます。
たしかに現在も、お盆の時期に「施餓鬼供養」という法会を行う寺院があったり、 家の外に「施餓鬼棚」をおいて米や野菜を供える風習もある。現在の日本で、お盆の由来について深く意識している人はほとんどいないと思われるが、酒生氏の言う通り、この行事にまつわる話で一番重要な「先祖と繋がり、共に過ごして感謝する期間である」という部分はしっかりと引き継がれているようだ。読者にとって、今年も有意義なお盆になることを願う。
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