この宇宙は無限にある宇宙の一つに過ぎない! 宇宙同士が衝突する危険も… 多元宇宙論の最前線がヤバい!
果てしなく広大な宇宙からすれば人間など実にちっぽけな存在だが、最先端の天体物理学者によれば、我々がいるこの広いこの宇宙もまた、無限にある宇宙のうちのたった1つに過ぎないという。
■グーゴルプレックス個の宇宙がある
宇宙について超高温高密度の状態から大きく膨張することで始まったとするビッグバン理論だが、このビッグバンは、他の時空で何度も起こっているありふれた現象であることを、イギリスの著名な宇宙学者で天体物理学者であるマーティン・リース卿が言及している。
「宇宙、つまり我々のビッグバンの余波は、おそらく無限の群島にある1つの島、空間と時間の1つのパッチにすぎない可能性があります」(マーティン・リース卿)
では、これまでどのくらいのビッグバンが起き、どのくらいの数の宇宙が生まれているのか。その数は100万などという生半可なものではない。10の100乗、つまり1の後に100個のゼロが続く数を1グーゴル(グーグルの語源)と呼ぶが、それよりも遥かに多い(書き表すのに宇宙の年齢の倍の時間が必要となる)数である「10の1グーゴル乗」もの数だという。事実上無限の、気の遠くなるほどの数の宇宙の中の1つが、我々が今ここにいる宇宙ということになる。
この宇宙が無数にあるうちの1つであるとするこうした宇宙観のことは「マルチバース理論」や「多元宇宙論」と呼ばれ、その支持者の1人には米カリフォルニア大学バークレー校(UCバークレー)の研究者で、米国物理学会のフェローも務める野村泰紀教授もいる。アメリカの天文学系メディア「The Daily Galaxy」の取材で教授は、別の宇宙の存在の証拠を手に入れる可能性について尋ねられている。
「多くの宇宙という構図、つまりマルチバースはランダムなアイデアではなく、弦理論などの基礎物理学の理論によって示唆されるシナリオです」(野村教授)
つまり、マルチバース理論は空想的な思考実験ではなく、現代物理学によって裏付けることのできる理論であるというのだ。
「そのため、別の宇宙に行かなくてもシナリオの予測をテストできます。たとえば、私たちの宇宙は別の宇宙と衝突する可能性があり、その痕跡は原則として、いわゆる宇宙マイクロ波背景放射の特徴的なパターンとして見られます」(野村教授)
我々が今いるこの宇宙が、別の宇宙と衝突する可能性があるというのは驚きだ。
「マルチバース理論のシナリオによれば、私たち自身の宇宙は“負に曲がっている”必要があり、特定の幾何学的特性を持っている必要があります。曲率がどの程度か、将来の観測で確認される可能性があります」(野村教授)
将来的にマルチバースの存在が確認される可能性があるとすれば期待が膨らむというものだ。しかしながら、もしも将来の観測で宇宙の曲率が負ではなく正であることが判明した場合、このマルチバース理論は成り立たなくなるということである。
「例えば、素粒子の性質とその振る舞いを支配する法則は、さまざまな形をとっています。一部の宇宙では、時空の次元の数でさえ異なる場合があります。私たちの宇宙に“隣接する”宇宙は、確かに私たちの宇宙とは大きく異なって見えるかもしれません」(野村教授)
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2024.10.02 20:00心霊この宇宙は無限にある宇宙の一つに過ぎない! 宇宙同士が衝突する危険も… 多元宇宙論の最前線がヤバい!のページです。ビッグバン、多元宇宙論、物理法則、マルチバース理論などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで