「ありえないサイズ」の超巨大アナコンダがアマゾンに出現?SNSを騒がす衝撃映像の正体とは

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画像は「X」より

 ニホンオオカミような絶滅したとされる動物や、ビッグフット、ネッシーといった伝説の未確認生物(UMA)。そして、世界の未踏の地に潜むとされる、既知の動物の巨大種――。TOCANA読者であれば、そんな世界に胸を躍らせ、同時にどこか恐怖を感じる人も少なくないだろう。

 アマゾン川流域を旅した人々が目撃したとされる巨大なヘビの話も、そんな少年の心をくすぐるような話のひとつだ。アナコンダは世界最大のヘビと言われ、体長9メートルにも達するとされる。2024年には、テレビクルーが水中で6.3メートルもの見事なアナコンダの撮影に成功し、これは野生で記録された最大のアナコンダとなった。しかし悲しいことに、その個体は後に密猟者の手によって殺されてしまった。この事実は、彼らがどれほど威圧的な姿をしていても、私たち人間の方が彼らにとってより大きな脅威であることを浮き彫りにしている。

SNSを駆け巡る「ありえないサイズ」のアナコンダ映像

 映画『アナコンダ』(1997年)に登場したヘビは、アニマトロニクス(機械仕掛けの模型)とCGIの組み合わせだった。しかし、最近SNS上で拡散されているある動画には、あまりにも巨大なヘビが映っており、多くのコメントは「AI生成に違いない」という反応を示している。

 インスタグラムの複数のアカウントで共有された情報によると、この動画はエクアドルの熱帯雨林で撮影されたもので、干ばつによる川の水位低下のため、この巨大な生物が空からも確認できたというのだ。その姿は、まさに規格外。もし本物だとしたら歴史的な大発見となるだろう。

専門家が指摘する「フェイク」の証拠

 しかし、この衝撃的な映像には、いくつかの不審な点が見受けられる。まず、動画の短さだ。これは、Dall-EやChatGPTのような大規模言語モデル(LLM)を使って生成された画像によく見られる特徴である。

 ラテンアメリカのいくつかのニュースサービスが本物として報じた後、この動画はスペインの爬虫類学者イグナシオ・J・デ・ラ・リヴァ氏に見せられた。彼の判断は「フェイク」。その理由として、映像には大きさを比較できる対象物がなく、ヘビのサイズを推定することが不可能である点を挙げた。仮に一部で主張されているようにヘビの体長が9メートルあったとしても、「映像では体長と胴体の太さの比率が信じがたい」と専門家は指摘する。

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Image by Denis Doukhan from Pixabay

AI生成特有の「不自然なアーティファクト」

 動画をよく見ると、冒頭部分でヘビの胴体の最初の「輪」の部分から、2つ目の頭のようなものが突き出ているように見えるが、6秒後には消えてしまう。インスタグラムのコメントの中には、これは1匹ではなく2匹のヘビだとする意見もあるが、AIが偽の動画を生成する際に誤って挿入した一時的な「アーティファクト(人工的な不自然さ)」と考える方が自然だろう。これはAI生成画像でよく見られる、余分な腕や変形する頭部と同じような現象だ。

ネット情報の真贋を見抜く目

 残念ながら、今回の騒動もまた、インターネット上で見つかる情報を鵜呑みにしてはいけないという教訓を私たちに与えてくれる。もちろん、アマゾンの未踏の支流の奥深くに、体長15メートルもの巨大なヘビが潜んでいるというロマンは今も魅力的だ。しかし、映画『アナコンダ』が教えてくれるように、こうした伝説の生き物にとっては、発見されないままでいることが、もしかしたら最も幸せなことなのかもしれない。

 SNS時代においては、誰もが簡単に情報を発信し共有できるようになった。その一方でフェイクニュースや加工された映像も巧妙になり、真実を見抜くことがますます難しくなっている。今回の巨大アナコンダ騒動は、センセーショナルな情報に飛びつく前に、一度立ち止まってその信憑性を吟味する重要性を改めて教えてくれる事例と言えるだろう。

画像は「Amazon」より

参考:The Daily Grail、ほか

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