天使の言葉、霊の地図、偽預言者、神癒… 大統領選の裏で「呪術戦争」が勃発か？

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　「霊の地図作り」とは、その土地を縛る異教の神々（キリスト教においては悪霊）を縛り上げ祓ってからでなくては伝道が進まないので、まず、その土地にある全ての異教の寺社仏閣・祠を霊的に縛り上げることを意味します。そのため聖霊派の一部教会では、霊的戦いのために、寺社仏閣の周囲を賛美歌を歌いながら歩くことで、その悪霊を縛り上げるんです。日本でも初詣のときに見かけたことありませんか？

――つまり彼らが大統領選の裏で暗躍していたと？

神ノ國ヲ　アフリカの聖霊派教会は、元米大統領トランプ氏の当選を予言した人物がいたり、死者蘇生に失敗した呪術師が村人に激怒される事件があったり、いろいろ興味深いですよ。呪術が日常生活に浸透しているんです。教会でも奇蹟を起こして献金を募る「偽預言者」が絶えない。多くの牧師たちが「自分も奇蹟を起こさなくては信徒に認めてもらえない」「奇蹟を起こせないならば、神に認められていない」と不安になるそうです。そんな牧師や信徒、呪術師や魔術師にとって「信仰の擁護者」ウィリアム・ルト氏こそ大統領にふさわしいわけです。事実、対立候補のライラ・オディンガ氏は選挙手続きに不正があったと訴えていますが、どうやら再審査が始まらないんです。ケニア大統領選の裏に、どれほどの祈りと呪いが飛び交ったのか想像もつきません。キリスト教とアフリカ呪術の結託による大統領選挙の操作の可能性……これ以上の深入りは危険ですね。

ルト大統領出身地方のペンテコステ派教会の様子

文＝神ノ國ヲ

神ノ國ヲ

学術論文からオカルト記事まで。
京都大学の博士課程に所属中。
Twitter：@kmnknw

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