「クメール呪術」をかけられた妊婦が呪い返し! タイに現存する呪術

――タイ在住歴20年の私バンナー星人が、タイ社会では馴染みの深い、妖怪、幽霊、怪談、呪術、占い、迷信といったものに光をあて、日本人の目には触れることが少なかったタイの怪奇世界に皆様をお連れします。

サイアムラット新聞

 

■タイ人に恐れられている「クメール呪術」

「呪術」を未開人が行っていた古代の遺物とする向きもあるだろうが、ここタイにおいては「呪術」の恐ろしさは今もなお暗い影を落とし続けている。呪術の中でもタイ人が特に恐れているのが「クメール(カンボジア)呪術」だ。筆者も今まで何人ものタイ人から「クメール呪術」についての話を聞かされたことがある。例えば筆者の学校の生徒はこんな話をしてくれた。

「親戚の叔母は兄弟親戚からお金を借りまくっていたギャンブル好きでした。そのため、私の父は腹を立て、自分の妹にあたるその叔母と縁を切り、親戚にももう関わらないように伝えたそうです。叔母は「許さない」という言葉を残して姿をくらましてしまったのですが、それからしばらくして、父は足に痛みを感じるようになり、痛みは日に日に増しついには歩くのも困難になってしまいました。病院でレントゲンを撮ると、そこにはなんとも不自然な形で足に埋まっている釘が写っていたのです」

 怨念の実体化がなぜ「釘」なのかはわからないが、この手の話で「釘」はどうも定番アイテムのようなのである。

呪術で釘が体内に入ったとされる写真/postjungより

 また、タイとカンボジアが領土問題で揉めている時、友人がこのように言ったことも印象的だ。

「タイの空軍が飛んでいけば、カンボジアの首都プノンペンぐらい1時間もかからず攻め落とせるけど、その間に呪いをかけられるとやばいんだよな」

 日本人である筆者からすれば思わず横槍を入れたくなるような話だが、クメール呪術の話をする際の彼らの表情にはそれをさせない真剣なものがある。

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