第2の“水”が存在か? 水分子が鎖状に連結する可能性が最新研究で判明
研究チームは水分子を数学的に分析する方法を編み出し、液体状態で絡み合う水分子をシミュレーションした。シミュレーションで圧力を上げて水分子を互いに近づけると、分子の塊の中でねじれた結び目や連結した鎖のように振る舞うグループがいることを発見したのだ。
これらの形状のグループは基本的な構造を壊すことなく、伸びたり、曲がったり、動き回ったりすることができた。チェーン状の2つのリンクは引き裂かれない限り、移動したり伸びたり縮んだりしても、結合されたままであったのだ。抽象数学の専門用語では、この種の形状とその特性の研究はトポロジー(位相幾何学)として知られている。
液体の水では水分子は一般的に自由に動き回っているのだが、水分子がトポロジー形状のように結合された高密度の形に圧縮されると、液体の水の新しい相が形成される可能性があるという。研究チームは特定の条件下で、液体の水が絡み合ったトポロジー形状から、ほとんど絡み合っていない状態に変化することを示している。これは、液体を凍らせて氷にしたり、沸騰させて蒸気にしたりするのと同じように相転移となる。
リールがついた釣り竿で釣りをしていると途中で釣り糸が絡まってくることがあるが、場合によってはほどくことが不可能なほど絡み合ってしまうケースもある。液体の水についてもこのように、ほどけるくらいに水分子が絡み合っている状態の水と、もはやほどくことが不可能なほど絡み合ってしまった状態の水の2種類があることが、トポロジーのシミュレーションで示唆されることになったのである。
このシミュレーションが正確であれば、圧力と温度を微調整すると液体の水の密度が変化するはずであり、つまり同じ量の液体の体積と重さが変わることになる。しかし今のところは理論上の推論であり、この理論をどうやって現実に再現できるかについては今しばらく時間がかかりそうだ。
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