「不具合は全部マンデラ効果のせい。パラレルユニバースの影響」米企業のクレーム対応が超話題! 社長の“斬新すぎる釈明”の真意は…!?
※ こちらの記事は2019年7月8日の記事を再掲しています。
米企業の社長が顧客からのクレームに対し、「マンデラ効果」が原因だと釈明、波紋を広げている。
海外ニュース「Daily Dot」(6月28日付)によると、食品配送ソフトウェア企業「NECS」の主力製品であるソフトウェア「entrée」に不具合が生じていることが前々から指摘されてきたが、この度YouTube上で、社長のクリストファー・アナトラ氏が、不具合はソフトウェアの問題ではなく「マンデラ効果」のせいだと語ったというのだ。
・ Tech company blames ‘Mandela effect’ following software complaints – The Daily Dot
■マンデラ効果
人種差別政策・アパルトヘイトの撤廃に尽力した20世紀の世界的なトップリーダーの一人であるネルソン・マンデラ氏は、2013年に亡くなった。しかし、このニュースが流れた時、少なくない人々の頭の中にクエスチョンマークが浮かんだという。故人にとっては不本意極まりない話にはなるだろうが、とっくの昔(1980年代)にマンデラ氏は亡くなっていたと思い込んでいた人々がかなりの数いたのだ。
また、米コメディアンのシンバッドが90年代に“Shazaam”という映画にランプの妖精として出演していたと記憶している人が多数いるにもかかわらず、そのような映画は存在しないという話もある。
こうした過去の疑いようのない記憶が、事実と反するものになってしまっている(と当人には思える)現象が「マンデラ効果」と呼ばれている。
■「不具合は全てマンデラ効果のせい」社長が熱弁
NECSのソフトウェアentréeは、食品卸業者のストック、配送先などを管理しているが、ここ数年間、その内部データが勝手に変更されているというクレームが利用者から立て続けに寄せられているという。
たとえば、普段は月に20箱のフライドポテトを発注しているレストランが、今月は5箱に激減したなど、普通に考えればありえなさそうな変更がされてしまっているそうだ。
アナトラ社長は、こうした現象は決してソフトウェアの不具合ではなく、マンデラ効果によるものだとさまざまな例を出し熱弁している。たとえば、アボカドの種類であるHASS種をHAAS、CUP NOODLEをCUPPA NOODLEと記憶している人が多くいるなど。
アナトラ社長によると、これは量子力学が指し示しているところのパラレルユニバースの影響であり、別の時間軸に入り込んでしまっていた可能性があるという……。
一企業の社長が公にマンデラ効果について語るなんてこれまでなかったことだが、これって責任逃れの苦しい言い訳なのでは?
真相は全く違った。
データが合致しないというクレームは確かに顧客からあるそうだが、マニュアルでデータを照合するとしっかりと合致することばかりなのだという。この照合作業にNECSの従業員は労働時間の20%を浪費しており、会社の大きな負担になっているそうだ。
つまり、アナトラ社長は顧客の“記憶違い”を直接指摘する代わりに、「ソフトウェアのせいでも、顧客の皆さんのせいでもなく、マンデラ効果のせいです」とオブラートに包んで表現したというわけだ。
なかなかウィットに富んだ社長だが、彼の真意は顧客に理解されたのだろうか?
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