CEOの死後もデジタルコピーされたAIが実権を握り続ける? MITが電子的不死を研究
すべての人が免れることのできない、死。病気や事故など原因はさまざまだが、急に亡くなった場合、遺された人々にとって多くの問題が生じるケースがある。
たとえば、大きなプロジェクトを抱えていた会社のCEOが急死した場合、その後の事業をどう進めるべきかが大きな問題となる。イーロン・マスク氏やアレックス・ファーガソン氏のような社会に大きな影響を与える人物が突然亡くなったとして、死後も彼らに重要な決定について助言を求めることができるようになったらどうだろうか。
現在、これらの問題に対し、技術者たちが「AIを活用して『デジタル上での不死』を実現し、死後も主導権を握れるようにする」ことを計画して話題を集めている。
これはマサチューセッツ工科大学(MIT)で進められている「Augmented Eternity」と呼ばれるプロジェクトで、人々がソーシャルメディアに残している膨大なデータをもとに、デジタル版の写し身を作ることを目的としている。
MITのHossein Rahnama氏によれば人々の残したデータによって、まるで本人のように「もっともらしく振る舞える」人工知能を訓練することが可能になるという。
「たとえば、経験豊富な専門家が持っている知識を再現することは可能でしょうか? 有名な弁護士のアバターから、法律的な意見を聞くことができるのでしょうか。多くのデータをマッピングすることができれば、それも可能だと考えています。私は現在『フォーチュン500』に選ばれている企業の非常に有名なCEOと一緒に仕事をしています。彼は80代ですが、どうしても経営陣とそのプロジェクトに遺産を残したいと考えていたのです。CEOのアバターは、人々に何をすべきかを指示するのではなく、好き嫌いや特定の視点についての意見を共有することができました。これにより、上司の死後も適切な指示を受けることが可能になるのです」
この技術は当初、愛する人のデジタル版を作って、その人が亡くなった後もずっと側にいられるようにと作られたもの。対話するだけでなく、重要な決定や指針をAIが下せるようになる未来はすぐそこまで来ているのかもしれない。
参考:「Daily Star」、ほか
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