菅前首相の岸田降ろしは「米中の代理戦争」だった! 日本の未来は中国の属国化or米国のATMの2択=ジェームズ斉藤

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画像は「Getty Images」より

ジェームズ:さきほども言ったように外務省は安倍政権に嫌われていました。それをそのままにしておくのは外務省としてもさすがに問題があるので、外務省側の人間として送り込まれたのが市川氏です。ですから、海外勤務が少ないのに出世しているのです。では、なぜ、市川氏なのかというと、彼は外務省内で異端児的なところがあって反外務省気質なんですよ。要は外務省の弱腰体質が大嫌いなんです。そういうところが安倍政権内部でも好まれて、菅さんにも可愛がられたというところがあります。

 そして現在、市川氏は外務省の中で安保派と呼ばれる派閥に属しています。この派閥は元国家安全保障局のナンバー2の兼原信克氏と、国家安全保障局の初代局長の谷内正太郎氏が代表の人脈ですが、この2人はもうリタイアしているので次の安保派のトップは序列的に市川氏です。この安保派のグループがいま菅さんを取り込んだのです。菅さんも自分が総理になりたいという願望があったので安保派と組みました。

──互いの利害関係が一致したと。

ジェームズ:はい。菅さんのやり方は自分にあった官僚をうまく選んで、自分のために使うもので、これを政治主導、官邸主導の政治と言います。小泉純一郎氏以降、主流となったやり方で、安倍さんも菅さんも受け継いでいますが、それぞれカラーが違うんです。安倍さんは長期政権を守るために警察を秘密警察化していました。官邸ポリスと言われた時代がまさにそうです。この前、警察庁長官を辞めた中村格氏も可愛がられてます。

──中村格氏といえば、あの……。

ジェームズ:伊藤詩織さんの性被害事件をもみ消したことで有名な人ですね(苦笑)。

──まあ、あれも変な事件でしたけど。

ジェームズ:伊藤さんと極左とのつながりとか、単純な事件ではないですね。実はあの事件では菅さんも暗躍してます。

──考えてみれば菅さんも安倍政権時代は官房長官として辣腕を振るってましたよね。

ジェームズ:テレビ局が安倍さんの悪口を言ったりすると菅さんが直接、局の担当に電話して放送の意図を問いただしたりしてましたからね、あれは体の良い恫喝でした。

 そんな菅さんはどういうカラーかというと好き嫌いをはっきり出します。なにしろ、総理になった時に真っ先にやったことは反菅派官僚の粛清で、内閣人事局を上手に使いました。内閣人事局というのは、官邸が官僚の人事に直接介入できるようにしたもので、安倍政権時の2015年にできていますが、実は菅さんの肝いりなんですよ。もともとは官房長官として安倍さんの人事をいろいろコントロールできるようにするためだったのですが、将来自分が使えるようにしたいというのもあったようです。この辺りが菅さんを支える権力構造です。

──いま岸田降ろしに動いている菅さんとはこういう人だと。菅さんは自分が総理になりたいんですよね?

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