寿命を伸ばすために児童を性的に虐待… 米小児性愛カルト「エンジェルズ・ランディング」とは?
米カンザス州ウィチタの田園地帯にかつて存在していたカルト宗教コミューンのリーダー、ダニエル・ペレスは現在、終身刑で刑務所に収監されている。信者を食い物にして保険金殺人や児童性虐待などに及んだペレスの凶行とは――。
子供と性行為をしないと死ぬという“方便”
1960年代から70年代にかけてのアメリカではヒッピーカルチャーをはじめとするカウンターカルチャーの隆盛を背景にコミューンと呼ばれる集団生活を行う共同生活体が各地に生まれた。そのなかには危険なカルト宗教のコミューンも少なくなかったのだ。
米カンザス州ウィチタの田園地帯で集団生活をしていた「エンジェルズ・ランディング・コミューン(Angel’s Landing commune)」のリーダー、ダニエル・ペレスは、少なくとも1人の信者を殺害し多額の保険金を手中に収め、一方でコミューンの子供たちを繰り返しレイプしていたという極悪非道で強欲な教祖であった。
ペレスは信者たちに自分は数百歳生きている天使の預言者であり、あらゆる病気を治す力を持ち、人々の死期を予測できると語りそれを信じ込ませていた。そして、ペレスがこの後も生き永らえるには定期的に子供(女児)と性行為をしなければならないと説明していたのである。こうして娘をもつ信者は喜んで娘をペレスに差し出していたのだ。
信者の間でペレスはカリスマ性があり、話し上手できわめて賢明な人物であるとして慕われていたので、それが性的児童虐待であるとは誰も思わなかったようである。
子供に対する性的虐待は確認されいるだけでも20件以上にのぼり、犠牲者の年齢は8歳から16歳までであった。
「普通の10歳の子供たちが自転車に乗ったり、人形で遊んでいる間、私はベッドに裸で横たわり、ただそれが終わるのを待っていました。普通の13歳の少女が彼氏を作って手を繋いでいる間、私は秘密にしがみつき、愛する人を次々と失っていきました。普通の16歳のティーンエイジャーが車の運転の仕方を学び、友達とパーティーを計画する自由を満喫している間、私は毎日自分の死に方を考えていました」と被害者の女性は公判で語る。
被害者の1人であるサラ・マクグラスもまたペレスに何度もレイプされたと語り、ペレスは彼女を“治療”しているのだと説明したという。「私にできることは何もありませんでした」とサラは語る。
ペレスの性犯罪記録によると、彼は2001年に子供への虐待を行ったことが初めて記録されており、2010年に逮捕されるまで児童への性的虐待は続いていた。事実上は十数年間に及ぶと考えられている。
コミューンでは7年の間に6人が事故死
創設当初から教団のコミューンはいくつかの地域を転々としていたのだが、ウィチタに拠点を移したところでいったん落ち着くことになった。コミューンの敷地は約8万平方メートルと東京ドーム2個分近い広さで、いくつかの大きな豪邸と呼べる屋敷に加えてプールもあり、コミューンにあった4台の自家用車はすべて高級車であった。
決して資産家などではないペレスだが、この教団を運営する資金はどこから来ていたのか。
コミューンでは7年の間に6人が事故死しており、そのほとんどのケースで保険金がペレスの手に渡っていたのである。
前出のサラ・マクグラスがコミューンの中で第二の母親のように慕っていたパトリシア・ヒューズ(当時27歳)は、2003年6月に足を滑らせてプールに転落して死亡した。彼女にかけられていた生命保険からペレスは1億3000万円以上の保険金を受け取っている。しかしこれは事故死ではなくペレスによる計画的な殺人であったことが後に判明しているのだ。
その後の2006年3月には、亡くなったパトリシア・ヒューズの夫のブライアンも働いていた自動車整備工場での不慮の事故で死亡している。ブライアンにも高額な生命保険が掛けられており、保険金がコミューン名義の口座へと振り込まれたのである。
その後もさらにコミューンのメンバーの2人が軽飛行機の墜落事故で死亡し、さらに2人が謎の自動車事故で命を落とした。この一連の事故死でペレスとコミューンは合計で5億円近い保険金を受け取ったのだ。
カンザス州セジウィック郡保安官事務所の刑事はヒューズの不審な死の時点ですでにペレスに注目してその動向を追っており、その後はFBIも捜査に乗り出して2010年4月21日、当局はペレスを逮捕した。
ペレス28の重罪で起訴され、2015年2月、彼はすべての訴因で有罪判決を受け、懲役80年の刑が言い渡された。
裁判官は「証拠は、ペレスがお金、セックス、贅沢なライフスタイルへの欲求を満たすために、人々を単なる物として利用したことを明確に示しています」と語っている。
信者からは“天使”と見なされていたペレスだが、実はサイコパスのモンスターであった。当局の捜査が入らなければ犠牲者はさらに増えていたのだろう。
参考:「Mirror」「Daily Star」ほか
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