“謎の骨”を持つ人類が急増中! 全人口の39%に変化… 人類は退化している!?
われわれは気づかぬうちに、小さな変化を遂げているのかもしれない。なんと現代人の4割にあたる人々が、膝裏の靱帯の中に”ファベラ”と呼ばれる丸い小さな骨を持っているという。しかし、臨床的な意義は乏しく、「ファベラ症候群」という膝の疾患の原因にもなることが判明している。
無意味なだけでなく厄介者として、”進化の過程で失われるつつあるもの”だと考えられていたが、近年の調査によって、この100年のあいだにファベラを持つ人々が3倍以上に激増していたことが発覚した。この傾向を退化と見なすか進化と見なすか、いまだ存在意義が見出されていない以上、専門家によって意見がわかれているようだが、いつの日かその結果が明らかになる日がくるのかもしれない。
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※ こちらの記事は2019年4月26日の記事を再掲しています。
膝の痛みの原因の一つに「ファベラ(fabella)」と呼ばれる丸い小さな骨がある。臨床的意義の乏しい骨であり、ファベラを持つのは人口のおよそ10%程度と考えられてきた。しかし最近、どうやら世界的にファベラを持つ人々が増えているようなのだ。英「BBC」(4月18日付)ほか、多数メディアが報じている。
ファベラは筋肉や腱の中に形成される種子骨の一種で、膝の裏側の靭帯の中に存在する。fabellaとはラテン語で豆を意味し、その言葉通り、小さな豆のような形をしている。種子骨には腱の動きを良くする利点があり、膝蓋骨も種子骨の一種だ。しかし、ファベラには臨床的な意義がほとんどなく、要するに無意味な骨だと考えられているうえ、ファベラ症候群という膝の疾患の原因にもなる“厄介者”でもある。
これまで、ファベラは人類進化の過程で失われつつあるものだと考えられていた。だが、英インペリアル・カレッジ・ロンドンの研究者らの調査によると、どうやらファベラが“復活”しつつあるらしい。過去150年にわたる世界27カ国の論文やデータを調査したところ、ファベラを持つ人間は1918年には全人口の11.2%に過ぎなかったが、現在では39%と3倍以上に激増していることが判明したのだ。
「人間の骨格に変化が起きるのは稀なことで、非常に興奮しています。しかも、世界中全ての人間に影響しているんですから」(研究者の一人、Michael Berthaume氏)
前述の通り、ファベラは膝の痛みの原因の一つである。変形性膝関節症を患う人は、そうでない人に比べ、ファベラを持っている可能性が2倍も高いことが判明している。膝裏にファベラが存在すると軟骨へのダメージが増加し、大腿骨を痛める原因になるほか、人工膝関節置換術を受けた後も痛みの原因になるという。
では、なぜこんな厄介な骨を持つ人が増加しているのだろうか? 研究者らはその原因として、栄養の改善で身体が丈夫になり、身長や体重が増えたことにあるのではないかと考えている。体格が良くなったことで膝への負担が増え、ファベラの復活につながったのではないかというのだ。
体格の向上が膝の痛みの原因になっているというのは何とも皮肉な話だ。だが逆に、復活したということは、今のところ無意味だと考えられているファベラにも何かしらの意義があるのかもしれない。ファベラを持つ人々が変形性膝関節症になりやすいのは確かなようだが、この余計な骨が本当に病気の原因なのかは、専門家のあいだでも議論がわかれているという。
論文は今月17日付で専門誌「Journal of Anatomy」に掲載された。知らず知らずの間に人間の骨格に起きていた小さな異変。それが何を意味しているのか、われわれはまだ答えを知らない。
参考:「BBC」「Daily Mail」「Journal of Anatomy」ほか
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