不思議なタイムループ体験談3選! 8年間デジャブの中のデジャブに閉じ込められ…
同じ時間を繰り返すタイムループ。フィクションの世界ではよく見られるが、実際にタイムループを体験したと主張する人々がいる。SFのような不可解なタイムループ現象から疾患としてのタイムループまで3つの事例を紹介する。
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※ こちらの記事は2019年7月19日の記事を再掲しています。
8年間人生を繰り返し続ける男!? フィクションではお馴染みの“タイムループ”にまつわる奇妙な事例の数々を、海外メディアが取り上げている。
巷にあふれる体験談
一人または複数の人間が、繰り返される時間のサイクルに閉じ込められてしまう――。
古くは「SFの父」として知られるH・G・ウェルズによって小説に描かれた「タイムループ」という現象は、いまや創作の分野では馴染み深い存在といえるだろう。本や雑誌、映画、果ては日本のアニメーション作品にまで登場するタイムループだが、これは架空の物語の中だけの出来事なのだろうか?
「タイムループを体験した」という主張は少なからず目に付くが、その検証は困難を極める。というのも証人となる体験者本人が、時間の感覚を失ったり、身体的な問題を抱えたりとかなりの混乱状態に陥ってしまうためだ。
彼らは数分間から場合によっては長時間にわたり、すでに見覚えのある風景をもう一度見ているような感覚に襲われる。周囲の世界が減速したり、停止するような感覚も伴う
これらはあくまでタイムループの典型例だが、結果として体験者は、自らの記憶すらも疑わしく感じてしまうのである。以下より、海外における報告に目を通し、その可能性と実態について理解を深めてみよう。
家族全員でタイムループ
何気ない日常の一場面が、前触れもなく繰り返す。これは「マトリックスの故障(“glitches in the matrix”映画『マトリックス』より)」とも呼ばれるもので、数名の人物によって体験が共有されうるという特徴がある。
大規模掲示板「reddit」には、まさしくマトリックスの故障といえる、家族全員が明らかな時間のループに巻き込まれたとの書き込みが残されていた。
(以下、書き込みより)
2008年に私の叔父がサウスカロライナ州での軍事教練を修了し、私の両親、兄弟、姉妹、祖母、祖父、そして叔母でSUVでミズーリ州セントルイスから基地までドライブしていました。路程の大半は記憶に残るものではなかったんですが、ノースカロライナ州アッシュビルに着いたとき、状況が一変します。
辺りも暗くなった午後8時9分頃、父は給油のためにいったん一般道に降りて、再び高速へ戻ったんです。20分後、私たちは給油のために一度降りたはずの高速の出口を通り過ぎました。
みんな混乱していましたが、そのまま運転を続けました。さらに20分が経過し、またその高速の出口を過ぎました。
私たちは給油の後に高速を離れたことはなく、州間高速道路なのでターンもできません。これはさらに2回も起こって、20分間運転するたびに同じ出口を横目に通過しました。
4回目の後、私たちはようやくその先に進んでいました。私たちは冗談を言い合い、アッシュビルにはもう二度と戻らないと誓ったものです。
連続するタイムループ
別々の出来事にわたり既視感、いわゆるデジャヴ(のようなもの)が反復するパターンもある。前述のような体験は比較的無害とも言えるが、それも連続すると動揺が大きくなる。
ある男性のもとに最初の異変が訪れたのは、大学の構内に停めた車の中で読書にふけっている最中だった。
(以下、書き込みより)
同じ市内バスが走っているのを2度見たところで、異変に気が付いた。バスの番号と、後ろの運転席側に座っている同じ一人の乗客が目に留まる。
2度目の通過の後、その車道の反対側を歩いている女性がベビーカーを押しながら携帯電話でメールを送ってた。
その後、再び本をめくっていて5分はたっていたように思えたが、また一連の出来事が起こった。バスが去り、車道の向こうで女性がベビーカーを押してゆく。
俺がようやく携帯電話を手に取り、何が起こっているのかを友人に伝えようとするその前に、これが5回か6回も繰り返された。
「お前はタイムループの中にいるぞ、すぐに脱出しろ!」
本気だったのか冗談だったのかわからないが、俺は友人の指示通りに車を走らせ、元いた場所に戻ったんだ。
ループは終わっていた。ただ、この時点でだいぶ頭がおかしくなっていたみたいだ。
(書き込み終わり)
この男性はほどなく、時間が停止し、その後急激に進んでしまうというあり得ない事態にも直面している。
男性はある朝、アラームのスヌーズ機能を頼りに二度寝をするも、最初に目覚めた午前7時に再び目が覚める。それから近所のジムに向かったところ、時間は本来あるべき正常な時間、午前10時にスキップしてしまうというものだ。
さらにジムでのトレーニング中にも、やはり時間が停止してしまう。
本来のスケジュールが守れなくなってしまうという観点から、これは非常に厄介だ。
8年間に及ぶタイムループ
より極端なものでは、2015年に23歳のイギリス人男性が医師に対し告白したもので、なんと過去8年間にわたり人生を繰り返してきたというのだ。
彼が口にするところの「時間のループに閉じ込められている」という感覚は、既存の体験の枠をはるかに越えていた。フランス・ブルゴーニュ大学に所属する認知神経心理学者であるクリス・ムーラン博士は、その内容に衝撃を受けたという。
「この男性には際立った印象を持ちました。彼には症状の自覚があるとはいえ、若くして体験した精神的な錯覚に起因する絶え間ない感覚刺激により、徹底して心を傷つけられてしまったのです」(クリス・ムーラン博士)
博士は続ける。
「彼が散髪に行った際の事例があります。その店に踏み入れたときから、彼はデジャヴを感じていました。そしてデジャヴの中でデジャブを感じる……。そうなると他には何も考えることができませんでした」(クリス・ムーラン博士)
彼を診察した医師は健康上の問題を発見することができず、脳スキャンでも異常は見られなかった。心理学的評価においても、目立った問題はないことが明らかとなった。
過ぎ去った時間の追体験をする慢性的な発作は、医学の見地からは通常、側頭葉や神経の障害と関連するものであると見なされている。
またこの事例に限っては、不安の連鎖による心因性デジャヴであるとの指摘もなされている。だがしかし、いまだに具体的な説明はされておらず、大部分は未解明と言うべき現状だ。
毎日が前日の繰り返しのように感じる現象は「デジャベク」と呼ばれる。2023年5月にもオーストラリア・ニューサウスウェールズ州の医師チームがデジャベクに悩まされる80代の男性の症例を報告している。https://tocana.jp/2023/06/post_252116_entry.html
フィクションのようにはいかない
タイムループは実在するのか、しないのか? その原因は科学的なものなのか、超常的なものなのか?
今のところ答えはないが、今回取り上げた報告を見るに、それがフィクションの中に登場するものとは完全な別物であると結論付けることはできるだろう。私たちが好むタイムループは、物語の主人公に劇的な変化をもたらし、しばしばチャンスをも与えるが、現実のタイムループにはそれがない無味乾燥で、不吉で、何の役にも立たないただの日常の繰り返しである。
「もう一度人生をやり直してみたい」と誰でも一度は考えるが、それが実現しても期待通りの展開は待ち受けてはいない。
明日の朝から始まる、終わるきざしの見えない8年間の繰り返しに、あなたは耐え抜くことができるだろうか?
(タイムループ関連記事)
・『涼宮ハルヒの憂鬱』に駄作はない、“長門壊れた説”は完全に誤読! 『エンドレスエイトの驚愕』 著者インタビュー(哲学者・三浦俊彦東京大学教授)
参考:「Mysterious Universe」ほか
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2024.10.02 20:00心霊不思議なタイムループ体験談3選! 8年間デジャブの中のデジャブに閉じ込められ…のページです。時間、SF、デジャヴ、マトリックス、タイムループなどの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで