『涼宮ハルヒの憂鬱』に駄作はない! 三浦俊彦教授インタビュー(1)
『涼宮ハルヒの憂鬱』に駄作はない、“長門壊れた説”は完全に誤読! 『エンドレスエイトの驚愕』 著者インタビュー(哲学者・三浦俊彦東京大学教授)

間違いなく、稀代の奇書だ。今年1月に出版された『エンドレスエイトの驚愕 ――ハルヒ@人間原理を考える』(春秋社)は、「エンドレスエイト」だけで400ページ以上を費やした哲学的論考。著者は東京大学人文社会系研究科の三浦俊彦教授である。
「エンドレスエイト(以下EE)」とは、TVアニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』の第二期(2009年)で放映され、物議を醸した8話分「エンドレスエイトⅠ~Ⅷ」のこと。第12話~第19話に相当する。作品内時間がループしていることを表現するため、「同一脚本、完全別作画」でほぼ同じストーリーを8週にわたって放映した実験作だった。が、視聴者にはおおむね不評で、以降のハルヒ人気を萎えさせてしまったA級戦犯……というのがアニメ界隈では一致した見方だ。
ところが、三浦氏はそこに待ったをかけた。これまでに論理学の学術書や小説、エッセイなど多くの著作がある同氏の専門は「美学・分析哲学」。これらを駆使した学術的論考によって、駄作評価が定着している「エンドレスエイト」に新しい価値を見出すという、冗談だか本気だかわからない試みが本書なのだ。
第1回の今回は執筆の動機を皮切りに、定説化しているEE(エンドレスエイト)の解釈における重大な“誤読”について聞いた。【インタビュー第2回はコチラ】
【イベント情報】
●5/29 坂上秋成×三浦俊彦×村上裕一 「『エンドレスエイトの驚愕』の驚愕」
著者である分析哲学の泰斗・三浦俊彦(1959年生まれ)をゲンロンカフェに迎え、
『ゴーストの条件』で独自のキャラクター論を展開した
評論家・村上裕一(1984年生まれ)と、
『涼宮ハルヒのユリイカ』(『ユリイカ』増刊号)に
ハルヒ論「涼宮ハルヒの失恋」を寄せた作家・坂上秋成(同じく1984年生まれ)とともに、
いまあらためて『ハルヒ』と「エンドレスエイト」を語り尽くす……!
日時:2018/05/29 (火) 19:00 – 21:30
会場:ゲンロンカフェ(東京都品川区西五反田1-11-9 司ビル6F)
チケット:前売券 2,600円 1ドリンク付 ※当日、友の会会員証/学生証提示で500円キャッシュバック
■普通のアニメとしては「全然ダメ」“だが”…!

――なぜ2018年の今、しかも、よりにもよってEEについての本を書かれたのですか。
三浦俊彦教授(以下、三浦) そもそも、ポップカルチャーは旬を過ぎて論じると「なぜ今?」と言われますが、葛飾北斎や宮沢賢治をいつ論じても、そんなことは言われません。普遍的なものはいつ書いたっていいはずなんです。
――EEは普遍的な作品だと?
三浦 傑作たる『涼宮ハルヒの憂鬱』の一部であるEEは、失敗作かもしれないけど駄作であるはずはない。なんらかの形で価値を認めることができるはずだと思ったんです。ただ、僕はいわゆるアニメ評論の素養がないガチガチの分析哲学者ですから、ならばあえて場違いな分析哲学でやった方がEEのKYぶりにふさわしいのではないかと。それに、せっかく制作サイドがボケてるのに、ツッコまない手はないでしょう(笑)。本書は29冊目の著書ですが、自分から編集者に持ち込んだ企画はこれが初めてなんですよ。
――ただ、ファンの間では、「EEがなければ『ハルヒ』はゼロ年代を代表するアニメになれた」「アニメ第三期が企画されないのはEEでDVDの売り上げが落ちたせい」などと散々酷評されました。
三浦 もちろん普通のアニメ作品としては全然ダメです。たまに「表現」の微差が面白いと持ち上げる人もいますが、無理がある。実際、8回通して観るのは大変な苦痛を伴いますし。
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