案山子「ヘイマン」の恐ろしい起源… 古代エジプトでウズラを食べた者が死刑に
【概要】
農業生産において農薬や除草剤の問題が深刻さを増しているが、農作物を守るための最もエコで持続可能な解決策の1つがカカシ(案山子)である。カカシの起源は明らかになっていないが、ひとつの説に古代エジプトでウズラ除けのために考案されたというものがある。しかし、その背景には恐ろしいエピソードが隠されていた。
【詳細】
時代と文化を超越したユニバーサルで頼もしい農業の“助っ人”であるカカシだが、最古のカカシの物語の1つは背筋が凍るホラーなストーリーであった――。
小麦畑の害獣・ウズラが保護鳥に
農業生産において農薬や除草剤の問題が深刻さを増しているが、農作物を守るための最もエコで持続可能な解決策の1つがカカシ(案山子)である。
何世紀にもわたって、カカシは世界中の農場に設置されているが、もちろんその唯一の目的は、鳥類が農作物を食い荒らすのを阻止することだ。

案山子は「干し草男(Hay Man)」とも呼ばれ、そのほとんどはシャツとズボンの中に詰められた藁で形成されている。
身体の軸となっている長いポールや木の棒で身長がカサ増しされ、意図的に目立つように配置されているカカシは、風が吹くと衣服が激しくはためき、生命の伊吹が備わってくる。また頭部には大きな帽子を被っているのも人形であることを見破られ難いカムフラージュになっている。
鳥にとって彼らは人間に見えるが、そのぶん我々にとっては実は不気味な存在でもある。夜の田舎道をドライブ中に路傍に立つカカシに気づいてドキっとした体験を持つ人も少なくないだろう。
世界で最初のカカシを実際に誰が作ったのかはよくわかっていないが、最古の干し草男の不穏な物語が1つある。
古代エジプト人は小麦畑に侵入して食い荒らすウズラの被害を防止するために、ネットで覆った木製のフレームの罠を畑に仕掛けていた。彼らの戦術はきわめて合理的で、小麦畑を獣害から守ると共に、捕まえたウズラを食膳に供することであった。

ある年、小麦の収穫量は予想よりもはるかに少なかったことで、エジプト人たちは自分たちが何らかの形で神々の怒りを買って罰せられており、今後さらに災厄を招くのではないかと恐れた。その結果、罠で捕らえられ食べられていたウズラが原因であると考えたのだ。
この後、直ちにウズラは保護鳥となり、ウズラを狩って食べた者は死刑を宣告されることになったのだ。
しかしこのような法を制定しても当然だがウズラによる農作物へ被害が減るわけではない。捕獲が禁止されたことで皮肉にもこれまで以上により効果的なウズラ対策が必要とされたのである。
そこで考案されたのがカカシである。何十体もの人間そっくりのカカシが小麦畑に配置されたのだ。人間の衣服をまとった不気味なカカシにウズラたちは警戒心を緩めることができず、その後何年もの間、小麦が豊かに実ることになった。再び豊作が続いたことでエジプトの人々は親切な神々を讃美して感謝した。
豊作の背後にあるカカシの闇の物語
特に風の強い日、パピルスで覆われているカカシの頭の1つが風に煽られて地面に落ちた。

それに気づいた農作業員が現場にやってくると、そこには落ちた衝撃で剥がれたパピルスからあらわれたミイラ化した人間の頭があったのだ。恨めしそうにこちらを見るミイラの目に作業員は戦慄を禁じ得なかった。
そしてこの頭の人物は、飢えた家族に食わせるためにウズラを狩ったとして処刑された男であったのだ。ウズラのために法を破った者が、ウズラ対策のカカシになっていたのである。
作業員は広い畑に何十ものカカシが規則正しく配置されている光景を改めて眺めた。腐敗臭を隠すために石灰岩に覆われたカカシ、いやミイラが見渡す限りに並んでいたのだ。彼はひざまずいて“干し草男”たちのために、そして神々が彼らの魂を憐れんでくださるよう祈ったのだった。
ウズラを保護鳥にした後に豊作が続いた背後には、豊穣の神への人身供養に事欠かなくなったという恐ろしい闇があったことになる。夜道で見かけるカカシがいちだんと怖くなりそうなストーリーだ。
参考:「Anomalien.com」
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