現役エクソシストが悪魔祓いを「ラテン語」で行う理由を解説! 英語や日本語の効果が限定的な要因とは?
ラッセル・クロウ主演で実在したエクソシストを描く映画『ヴァチカンのエクソシスト』は日本でも人気の作品となった。実在する現役エクソシストH氏に宗教・オカルトの専門家が突撃インタビュー!

――ラテン語でなくては効果がない?
H氏:まず第二ヴァチカン公会議を抑えなくてはなりません。1962年から65年にかけて、ローマ・カトリック教会は、ミサを現地語で行うことを定めました。しかし2011年以降、ラテン語ミサ復興の向きも出ています。つまり何よりもまずカトリック教会自体が、この半世紀以上、現地語での祈り、ミサを認めてきたということです。つまりラテン語でなくては効果がないわけではない。日本語でも信仰と正式な手続きによって教会が為すわざならば効果があるわけです。
実際にスペイン・プラセンシア教区司祭で祓魔師フランシスコ・トレス・ルイス神父いわく「1614年の儀式は1952年に教皇ピウス12世によって改革され、2000年に聖ヨハネ・パウロ二世によって公布されましたが、新旧どちらが優れているとは言えない」と発言しています。なぜならエクソシズムは、教会の秘跡だからです。秘跡とは、別名サクラメントですが、要するに「目に見えない神の恵みを、教会が正式に目にみえる形で表現し制定したもの」です。それゆえ、ラテン語であれ英語であれ、重要なことはカトリック教会が正式に行うこと、同時に、そこに信仰が必要なことです。
――クリスチャンでない場合、悪魔祓いはできない?
H氏:そもそも「悪魔」の定義をどうするのか問題になりますね。実はエクソシズムは信者でなくてもできるんです。しかし、その場合は、ラテン語の祓魔の祈りを正確に発音することが重要です。通常、エクソシストは二つの祈りを用います。嘆願の祈り――これは悪魔憑きのひとを開放し回復するために神の憐みを乞う祈りです。また命令の祈り――こちらはサタンに対してキリストの勝利を宣言し、彼らにふさわしい場所、地獄へと戻るようにキリストの御名によって命令する祈りです。これらをラテン語で祈る必要があります。
――信者でない場合、ラテン語で祈らなくてはならない?
H氏:そうです、なぜなら悪魔祓いは、そもそもキリスト教と敵対関係にある霊的実在との闘いですから、必ずキリスト教信仰が必要になります。信者が行う場合は、信仰が前提されているので日本語でやっても意味があります。しかし信者でない人が、エクソシズムを行う場合は、信仰がないので効果がありません。それゆえ、今まで何人ものエクソシストが祈り唱えて継承してきたラテン語の祈願を用いなくてはなりません。なぜなら、そのラテン語の祈願文を唱えることで、過去に、それを唱えてきた数多のエクソシストの祈りの力を拝借できるからです。これは仏教のお経を読むときも同じ原理です。お経をあげることで、本人の信心や法力を越えて、歴史上積み重ねられてきた祈りの力を引き出すことになるんです。
いいかえれば、やはり素人にはできないんです。たしかに信仰や信心があれば日本語で効果のある祈りを唱えることはできます。しかし特別な訓練を受けていないなら、エクソシズムはできません。同様に、信仰がなくともラテン語などの古代言語で祈願するならば、一定の効果はありますが、やはり信仰と信心なくしては、そのような邪悪な者には立ち向かえません。いずれにせよ、一般人が踏み込んでいいような世界ではないんです。
つい最近も人死にが出そうな祓いに携わっています。祓いの現場は、いつも暗くて厳しく、不穏なものです。誰も幸せにはなれないんです。ですから日本語でもラテン語でも、エクソシズムをしようなどとは一切考えないでください。取り憑かれ、悲惨な人生を送って殺されて終わりです。
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