「早起きは三文の徳」は科学的な事実!? 朝型人間の方が平均年収が高いと判明
朝から元気な朝型の人もいれば、日が暮れる頃にようやくエンジンがかかるという夜型の人もいるが、こうした生活リズムの違いは仕事の稼ぎに影響しているのだろうか。最新の研究では朝型は夜型よりも年収が4%多いという。
夜型は朝型よりも収入が4%低い
クロノタイプ(chronotype)は日周指向性とも訳され、1日の中でどの時間帯が最も活動的であるかを示す時間的特性のことで、つまりは朝型や夜型、あるいはその中間といった類型のことである。クロノタイプは個人の“体内時計”に依存し、遺伝的な影響も大きいことが知られている。
朝型は生まれつき朝早く起きるのを好み、一日の早い時間帯に最も覚醒している人で、夕方には疲れを感じ夜は早くに寝る準備ができている傾向がある。
夜型は夜遅くまで起きていて活動することを自然に好む個人で、夕方からより注意力が高まって目が冴える傾向がある一方、早朝の活動には苦労しがちである。
朝型と夜型の間に該当する中間型は日中の時間帯に最も覚醒していると感じるものの、朝型ほど早くは起きてはおらず、夜型ほど遅くまで起きてはいない。

ではこのクロノタイプの違いは働き盛りの中年期の経済的幸福に何らかの関連があるのだろうか。
フィンランドのオウル大学の研究チームが今年8月に「Economics and Human Biology」で発表した研究によると、夜更かしを生来好む人々は、睡眠習慣を含む健康習慣が悪化する傾向があり、それが賃金の低下につながっていることが報告されている。朝型のほうが健康的で経済的にも恵まれている傾向があるというのだ。
研究チームはフィンランド人約1万2000人の学歴、職歴、ライフスタイル、健康に関する情報を収集してデータ分析を行い、クロノタイプと健康資本との間に関連性があることを発見した。このそしてこの健康資本は収入にも影響を及ぼしていたのである。
分析結果によると、クロノタイプが夜型の者は、身体活動量が少なかったり、喫煙者であったり、アルコールの摂取量が多かったりするなど、不健康な行動をより頻繁に行う傾向が見られた。また不眠症や一晩の睡眠時間が7時間未満など、睡眠の質がより劣っている傾向が強かったのだ。
そしてこの健康資本の劣化は仕事にも影響を及ぼし、夜型は朝型よりも46歳の時点で4%の収入の低下が見られたのだ。「早起きは三文の徳」ということわざはサイエンス的にも正しかったことになりそうだ。

質の高い睡眠が重要
研究チームのアンドリュー・コンリン氏は健康面では特に睡眠が重要であり、仕事に及ぼす影響も大きいと心理学系メディア「PsyPost」に語る。
「私たちは睡眠が賃金収入に関連する潜在的なメカニズムを示そうとしています。夜型人間であることは、健康不良の割合が高いことと関連しているようであり、それがひいては賃金収入の低下と関連しているようです」(コンリン氏)
夜型にとって残念な結果となっているのだが、とはいえ研究結果にはいくつかの制約もある。
参加者のクロノタイプは46歳という特定の時点で評価され、46歳夜型人間の生産性が低いという結論を導き出したのだが、その因果関係を証明することはできない。同一人物でも46歳以前や以後に朝型である可能性がないとも限らない。

「大きな注意点は、クロノタイプと収入との間接的な関連性しか示せないということです。夜型のクロノタイプが収入低下や健康状態の悪化を引き起こすという主張はできません。『相関関係は因果関係ではない』という言葉を思い浮かべてください」とコンリン氏は説明する。
そしてさらに研究が進むことで、夜型でも生産性が低下しない作業スケジュールを開発できたり、健康を悪化させない方法を見出せる可能性もある。
夜型から朝型になるのはなかなか難しいかもしれないが、健康と仕事への悪影響のリスクを回避するために夜型に適した“ワークライフバランス”を模索したほうがより現実的な解決策になるのかもしれない。
参考:「Daily Mail」「PsyPost」ほか
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