静かに消えゆくインターネット…気づかぬ間に進行するネット情報の大量絶滅

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 インターネット上の情報が徐々に失われつつあるようだ。過去10年間に存在していたウェブページの約25%が現在アクセス不能となっており、特に古い情報ほど消失のペースが速い。この現象は、ニュースサイトや政府機関のウェブサイトにも及んでおり、情報検索を困難にし、オンライン上の信頼性を低下させている。

 デジタルコンテンツの脆弱性を示すこの問題は、より効果的な保存方法の必要性を浮き彫りにしている。例えば、2013年に存在していたページの38%が2024年には閲覧できなくなっており、わずか1年で30%もの情報が失われたことになる。ウィキペディアも例外ではなく、英語版の54%のページに少なくとも1つのリンク切れが存在する。

ソーシャルメディアとデジタル資料の劣化

 ソーシャルメディア上でのデジタル劣化も深刻だ。2023年春の調査では、約500万件のツイートを3か月間追跡したところ、20%が消失した。投稿後1時間以内に1%、1日以内に3%、1週間以内に10%のツイートが削除されている。

 科学研究分野でも、700万件の出版物の分析により、25%以上の科学論文が保存されていないことが判明した。これは知識へのアクセスを阻害するだけでなく、将来の研究や歴史的記録の保持にも課題を投げかけている。

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 さらに、Googleが検索結果のキャッシュ機能を削除したことで、膨大な量のウェブサイトやデータが失われる可能性がある。これにより、情報の変更履歴を追跡することが困難になり、情報の信頼性や透明性に影響を与える恐れがある。

情報の質と量の変化

 インターネット上の質の高いコンテンツが、低品質な情報の氾濫に埋もれつつある。有益な記事1つに対して、購入を促すアフィリエイトリンクで埋め尽くされたページが10個存在するという状況だ。

 小規模なウェブサイトや個人ブログが大手企業に買収され、独自のコンテンツが失われる懸念も高まっている。また、AIによる内容の薄いコンテンツ生成も問題となっており、オリジナリティのない情報の氾濫が起きている。

 このような状況下で、真に価値ある情報を見つけることは増々困難になっている。インターネットの静かなる消失は、我々の知識や記憶を奪い、情報へのアクセスを制限する可能性がある。

 デジタル時代において、情報の保存と信頼性の維持は喫緊の課題だ。我々はこの問題に対する認識を高め、効果的な解決策を見出す必要がある。インターネットの未来は、我々の手にかかっているのかもしれない。

参考:Soul:Ask

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文=深森慎太郎

人体の神秘や宇宙の謎が好きなライター。未知の領域に踏み込むことで、日常の枠を超えた視点を提供することを目指す。

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