背筋が凍るような“曰くつき”の美術作品7選
美術界に伝わる不気味な噂
多くの芸術家たちが超自然的なテーマや幽霊、呪われた場所のビジョンを作品に描いてきた。しかし、作品そのものが呪われているという噂はどうだろうか。2019年の映画「ベルベット・バズソー」(アート界を舞台にしたホラー作品)では、呪われた芸術品をメインストーリーに据えたが、現実世界にも超自然的な不安を抱えた作品が存在すると言われている。今回はそのような作品をいくつか紹介しよう。
パルテノン彫刻のカリアティード像
19世紀、エルギン卿によってアテネからロンドンへ運ばれたパルテノン神殿の彫刻コレクション。その中に、紀元前421-406年頃のカリアティード像がある。伝説によれば、この像がアテネからロンドンへ運ばれる際、収められた箱の中で泣き声を上げたという。2016年から博物館の怪談を調査し始めたノア・アンジェルは、「世界中から持ち去られた品々自体が落ち着かない様子を示しているようだ」と語っている。
ジャン=ガブリエル・デュ・テイユの肖像画
フランスの政治家ジャン=ガブリエル・デュ・テイユを描いたこの肖像画は、ジャック・アンドレ・ジョゼフ・アヴェドによって1739-40年に描かれ、現在オハイオ州のクリーブランド美術館に展示されている。噂によれば、この肖像画には描かれた本人の霊が取り憑いているという。館内で自身の姿を見つめた後、絵の中に消えていく姿が目撃されたこともあるそうだ。
赤い裏地のマントを着た少年
クリーブランド美術館所蔵のもう一つの呪われた絵画と言われているのが、ジャン=オノレ・フラゴナールの「赤い裏地のマントを着た少年」(1780年代作)だ。この絵は説明のつかない形で展示ケースから別のケースへ移動することがあるという。まるで自らの意志で動いているかのようだ。
ナポレオン・ボナパルトの肖像画
ルーヴル美術館にも超自然的な出来事は数多く報告されており、その中にジャック=ルイ・ダヴィッドによるナポレオンの未完成の肖像画(1797-98年作)がある。ナポレオン戦争に従軍した兵士の霊が、この肖像画の周りをさまよっているという。来館者の中には、軍隊式の敬礼をする姿や涙を流す姿を目撃したという報告もある。
画像はこちらから確認できる。
オッシントン夫人の肖像
ヴィクトリア朝時代の起業家、オッシントン夫人の肖像画(1863年、作者不明)には興味深い逸話がある。彼女が建てたコーヒーハウスが酒場に改装された際、壁から飛び降りるように落ちたという。禁酒を掲げていた彼女の意志に反したためだろうか。現在、この肖像画はオンラインで閲覧可能となっている。
人が提案し、神が処理する
ロンドン大学ロイヤルホロウェイ校に展示されているエドウィン・ランドシーアの作品「人は提案し、神が処理する」(1864年作)は、その前で試験を受けると不運に見舞われるという噂がある。都市伝説とはいえ、1970年代以降、試験期間中はこの絵が覆い隠されるようになった。
無題の少女の肖像画
最後に紹介するのは、イギリスのチャリティーショップで購入された少女の肖像画だ。購入者が「不気味だ」と感じて返品し、次の購入者も同様の不安を覚えて返品。しかし、その後気が変わって再び購入したという。この肖像画の謎めいた雰囲気から、呪われているのではないかという噂が広まっている。
美術作品に宿る幽霊や呪いの噂は、時に作品そのものよりも人々の想像力を掻き立てる。これらの逸話は、芸術と超自然現象が織りなす不思議な世界を垣間見せてくれる。芸術鑑賞の際には、作品の背後に潜む物語にも耳を傾けてみてはいかがだろうか。そうすれば、美術館での体験がより一層興味深いものになるかもしれない。
参考:Mental Floss
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