数字「27」には驚異的パワーが秘められている!?インドネシアと日本の“謎のつながり”で判明、土地にまつわる戦慄の法則

KanenoriによるPixabayからの画像

 インドネシアの首都ジャカルタがあるジャワ島。この島の中部と東部には主にジャワ人が住んでいる。多民族国家のこの国で、ジャワ人は人口9千万人と最大民族となっており、非常に独特な民族性やものの考え方を持っていることが知られている。その根底には神秘思想があり、数秘術的に”数”に深い意味をもたせたり、聖地や王宮の立地は”レイライン”的な方法論で決めたりと、その影響は歴代大統領にもみられる。今回はそんなジャワ人の神秘思想を紹介する。

■「27」の数字

 ジャワ人たちの独特な思想・宗教については、過去にもトカナで紹介している。例えば、ジャワ人やバリ人たちが恐れ敬う「南海の女王」、ジャワ島の海を支配する女神ラトゥ・キドゥルにまつわる逸話だ。初代大統領スカルノ、第2代スハルトなど、歴代大統領の多くはこの南海の女王への信仰を持っていた。

 1993年1月20日、バリ島サヌールにある国営のホテル・バリビーチ(現在は「イナ・グランド・バリビーチホテル」に改称)で火災が発生し、ほとんどの建物は焼けてしまった。だが、ある霊能者を介して南海の女王が所望の意思を伝えていた10階建てビルの327号室とコテージの2401号室だけは、奇跡的に残ったというのである。

 実は、「327号室」に含まれる「27」という数字こそが、インドネシアという国にとって数秘学的に重要な意味を持つ。この国では歴代大統領にも神秘主義志向の要素が見られるが、初代スカルノや第2代スハルトも同様で、この「27」という数字を好んで使用していた節がある。

 ジャワ人を含むインドネシア人たちが、どれだけ「数の神秘」を好むのかという良い例が、首都ジャカルタに建つ「モナス」(MONAS、独立記念塔)にある。モナスは首都のムルデカ(独立)広場にそびえる国家独立の記念塔だが、高さが17mで、これは独立宣言を行った「1945年8月17日」にちなんでいる。また、塔の台座となる基部の縦横の幅が45mであり、これも独立を果たした1945年の「45」を意味している。

■スカルノ初代大統領

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画像は「Wikipedia」より引用

 インドネシアでは、指導者が政治的手腕だけでなく、神秘的能力を兼ね備えていることを国民が望んでいる節がある。初代大統領となったスカルノは、7歳のころには千里眼の能力を持ち、干ばつのバリ島を訪れた際には雨を呼び寄せる力を見せたという。同国の作家モクタル・ルビスによれば、スカルノはどこまでが政治的な指導者で、どこまでが「ドゥクン」(呪術師)なのか見極めるのが困難な大統領の典型例だったという。

 1901年に生まれたスカルノは、26歳の1927年7月4日に、インドネシア国民連盟を結成。その後にインドネシア国民党(PNI)と改称した。まず、この結成年に「27」の数字が見られるが、これはたまたまそうなったのかもしれない。翌年の1928年10月27日に、インドネシア生年会議を開催し、そこで民族主義運動の頂点だった「青年の誓い」が採択されたが、この日付にも「27」が含まれている。

 月日が流れ、1945年に日本が第二次大戦で敗戦すると、独立を宣言したインドネシア共和国と、これを認めず再植民地化に乗り出したオランダとの間で独立戦争が発生し、4年5カ月間も続いた。最終的に、1949年12月27日、ハーグで開催されたオランダ―インドネシア円卓会議が開催され、オランダのユリアナ女王がインドネシアに主権を完全に譲渡した。ここでも「27」の数字が見られる。インドネシアは1945年8月17日に独立宣言を行ったが、その後1975年に東ティモールを併合し、州の数が27となった。

 スカルノは、バリ島の火災に遭った国営ホテル・バリビーチの327号室を好んで宿泊したというが、それはこの部屋に「27」の数字が含まれていたために好んだのかもしれない。

 では、なぜ「27」の数字にこだわったのか? その理由は明らかではないが、27は3の3乗であるといったことに、何らかの神秘的な意味を込めているのかもしれない。

■スハルト第2代大統領

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画像は「Wikipedia」より引用

 第二代のスハルト元大統領は1921年6月8日生まれだが、スカルノと同様に神秘主義者で、見えない力や神通力を重視し、ジャワの伝統的な神秘主義を重用していた。ジャワ人の間で超自然的な力が宿ると信じられている「クリス」と呼ばれる短剣を多数収集していた。

 スハルトは1968年3月27日に第2代インドネシア大統領に就任したが、ここにも「27」の数字が現れている。さらにスハルトが没したのは2008年1月27日で、死因は多臓器不全だった。こちらは意識して選んだというよりも、オカルト的に解釈すべきかもしれない。

 また前述した通り、スカルノもスハルトも南海の女王に絶大なる信仰を寄せていた点が共通する。前述のホテル・バリビーチの他に、西ジャワのプラブハンラトゥにもサムドゥラビーチホテルという国営ホテルがあり、そこにも女神に捧げられた客室がある。スカルノもスハルトも、その部屋で瞑想を行ったという。

■諏訪信仰にも見られる「27」

 個人的な話になるが、筆者は父方の先祖が代々長野県諏訪の土豪で、諏訪大社を氏神として信仰していた。諏訪大社の祭りというと「木落し」の御柱祭が有名だが、実は諏訪信仰にとって最も重要な神事は「御射山祭」と呼ばれる祭りだ。この祭は現在、毎年8月27日に行われているが、元々は旧暦7月27日に行われていた。この日付に「27」の数字が見られるように、27は諏訪信仰にとっても重要な数字だったようだ。

 筆者は1994年からのべ1年半ほど、ジャワ島東部の地方都市マディユン(Madiun)に滞在し、SEとしてソフトウエア開発のコンサルティングを行っていた。その時に筆者がインドネシアへ渡航したのが9月27日で、ここにも「27」が含まれている。

 さらに個人的な話になるが、筆者が過去に交際していたインドネシア人の女性2人が同じ7月27日生まれで、その1人はインドネシア人ならば誰でも知っている国民的歌手だった。また筆者の3人目の子供である末娘は、2月27日に生まれているが、これはたまたまなのだろうか。

■ジャワ島のレイライン

 ジャワ人の神秘主義的性向が見られるものの一つに、「レイライン」がある。ジャワ人におけるそれは、日本で「イヤシロチ」(弥盛地)「ケカレチ」(気枯地)と呼ばれる概念に近い。イヤシロチは、山頂と山頂を結ぶ直線上にある土地が作物の生育や人間の健康にとって良い土地とされ、ケカレチはその逆の性質があると信じられている。

 ジャワ島に存在する仏教やヒンドゥー教の古い寺院やスルタン(地方君主)の王宮の立地を見ると、レイラインの概念によって土地が選ばれたと思うしかない要素がある。以下にその例を示す。

◎メルバブ山―ジョグジャカルタ王宮―パランクスモ

パランクスモは、ラトゥ・キドゥルの海底の宮殿の前の海岸を意味する。ジョグジャカルタ王宮は、中部ジャワの地方君主の宮殿である。

◎ムラピ山―スラカルタ王宮―ラウ山

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スラカルタ王宮は、ジョグジャカルタに並ぶ古都ソロ(古称はスラカルタ)にある宮殿である。

◎ジョグジャカルタ王宮―プランバナン寺院群―スラカルタ王宮

 上の図に併せて記しているが、プランバナン寺院群は9世紀のマタラム王国時代に建造された仏教・ヒンドゥー教寺院で、世界遺産に登録されている。

 ジョグジャカルタやスラカルタの建国はマタラム王国よりずっと後世のものであることから、両者はプランバナン寺院を起点として、まず東方にスラカルタ王宮が建造され、その後に西方にジョグジャカルタ王宮が建造されたと思われる。

 ジャワ島の王宮やもっと古い聖地は、山頂と山頂を結んだ直線上に位置している。このような事例は、他にもきりがないくらいに見つかるだろう。つまり、このような立地は「たまたま」選ばれたわけではなく、ジャワ神秘主義の深い意味が込められているのだ。

■「イヤシロチ」「ケガレチ」

 先に述べた通り、ジャワ人にとっての「レイライン」に近い概念として、日本には「イヤシロチ」「ケガレチ(ケカレチ)」という考え方がある。これは、明治生まれの科学者・楢崎皐月氏(1899~1974)という、カタカムナなどの研究家だった人物が提唱したものだった。

 楢崎氏は全国各地で大地電流の測定を行い、その結果として良い土地と悪い土地があり、それが農作物の生育に大いに関連していることがわかった。良い土地を「イヤシロチ」、悪い土地を「ケガレチ」と呼んだが、イヤシロチは例えば山の山頂と山頂を結んだ直線上にあり、ケガレチは谷と谷を結ぶ直線上に存在する土地となっている。

■インドネシアと日本に同じ概念がある謎

 筆者は長年「土地のエネルギー」といった概念を研究してきた。ジャワ等を仕事で何度も訪れるうち、寺院や王宮が建つ土地が、まさにこの「イヤシロチ」ではないかと気づいた。ジャワ島のスルタン(地方君主)の王宮などは、日本のイヤシロチ、ケカレチと同じ法則に則って立地されたとしか考えられない。そこに「27」という数字が何らかの形で関係しているのだろう。

 いずれにしても、古来より日本やジャワ島で類似した概念が存在したというのは驚きだ。問題は、日本のイヤシロチの概念がいつごろから存在したかで、どちらが先にあったのかということなどについては、今後の検討課題としたい。

参考:『ジャワ人の思考様式』(めこん)、「ロロ・キドゥルの箱 ― ジャワの性・神話・政治』(風響社)、『ソウル・オブ・ザ・タイガー ― 東南アジアの人と自然』(心交社)、ほか

 

※当記事は2020年の記事を再編集して掲載しています。

文=百瀬直也

超常現象研究家、地震前兆研究家、ライター。25年のソフトウエア開発歴を生かしIT技術やデータ重視の調査研究が得意。
Webサイト:百幸.com
ブログ:『探求三昧』
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Twitter: @noya_momose

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