ナチスが国家予算を投じた“狂気のオカルト計画”7選

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ナチス・ドイツがオカルトや超兵器に傾倒していた」というのは、映画『インディ・ジョーンズ』シリーズやゲーム『ウルフェンシュタイン』などでおなじみの設定だ。

 しかし、これは単なるSFやB級映画のプロットではない。ナチスの上層部は、本気で「超自然的な力」を軍事利用しようと試みていたのだ。

 最新の科学兵器と並行して、占星術師や超能力者を大真面目に政府の重要ポストで雇用していた第三帝国の狂気。その中でも特にバカバカしく、そして恐ろしい「7つのオカルト計画」をピックアップする。

1.ダウジングで沈没船を探す「SP局」

 第二次世界大戦中、Uボートをはじめとするドイツ海軍の軍艦が次々と沈められる中、海軍はオカルトにすがりついた。

 神秘主義者のルートヴィヒ・ストラニアクは、「地図の上で振り子(ペンデュラム)を揺らせば、沈んだ船の場所がわかる」と豪語した。軍がテストとして未沈没の船の場所を当てさせると、なんと彼は見事に正解してしまったのだ。

 これに味を占めたナチスは、ペンデュラムで船を探す専門の「SP局(ダウジング部隊)」を設立し、複数の超能力者を雇い入れた。しかし、テストの正解は単なるまぐれだったようで、SP局が実際に沈没船を発見できた記録は一つも残っていない。

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2.ヒトラーの専属専属霊能者は「ユダヤ人」だった

 1930年代初頭、エリック・ヤン・ハヌッセンという催眠術師・占星術師がヒトラーの目に留まり、彼の専属霊能者兼スピーチコーチとして雇われた。

 ハヌッセンは「1933年の国会議事堂放火事件」を正確に予言するなど絶頂を極めたが、彼にはヒトラーが絶対に許さない秘密があった。彼はユダヤ人だったのだ(キリスト教に改宗してはいたが)。

 さらに、放火事件を予言したことで「自作自演ではないか」と他のナチス幹部から疑われ、最終的に彼はナチスによって処刑されてしまった。

3.夢のお告げで作られた「宇宙氷理論」

 オーストリアの技術者ハンス・ヘルビガーは、「宇宙は2つの巨大な氷の星が衝突して生まれた」というトンデモ宇宙論を提唱した。その根拠は「1894年に見た夢」である。

 本来なら誰にも相手にされない妄想だが、ナチスはこれを「公式の宇宙観」として採用した。理由は科学的な正しさではなく、当時の「ユダヤ的科学(アインシュタインの相対性理論など)」に対抗するためのプロパガンダとして都合が良かったからだ。

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4.超能力でユダヤ人を探知する男

 第一次世界大戦直後にヒトラーと出会い、強烈な反ユダヤ主義で意気投合したヴィルヘルム・グートベルレット博士。彼は「自分にはユダヤ人を超能力で探知できる力がある」と主張した。

 ヒトラーはこれを大絶賛し、ナチスが政権を握ると彼を重用した。このリストの中で最も笑えないのがこの男だ。彼の「超能力(という名の偏見)」によって、実際にどれほどの無実の人々が強制収容所へ送られたのか、想像するだけで背筋が凍る。

5.暗殺を予言した占星術師

 スイスの占星術師カール・エルンスト・クラフトは、1939年秋、「11月8日から10日の間にヒトラーの命が狙われる」と政府に手紙を送った。最初は無視されたが、実際に11月8日にミュンヘンでヒトラー暗殺未遂事件(爆弾テロ)が起きると、手のひらを返して政府に雇われた。

 その後、彼は戦争中に大した活躍はしなかったが、彼が雇われたことを知ったイギリス政府が「占星術には何かあるのか!?」と焦り、対抗してイギリス側も占星術師を雇うというコントのような展開を生んだ。

6.星占いを信じて敵国へ飛んだ副総統

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ルドルフ・ヘス Bundesarchiv, Bild 183-1987-0313-507 / CC-BY-SA 3.0, CC BY-SA 3.0 de, リンクによる

 1941年、ナチスの副総統ルドルフ・ヘスは戦争を終わらせるため、お抱えの占星術師カール・ハウスホーファーに相談した。

 ハウスホーファーは「ヘスがイギリスの庭園を歩く夢を見た。しかも今は6つの惑星がおうし座にあり、満月だ。タイミングは完璧だ」と告げた。

 これを真に受けたヘスは、なんと単機で戦闘機を操縦し、イギリスのスコットランドへ飛んで不時着した。当然ながら和平交渉などできるはずもなく、彼はそのまま逮捕され、生涯を獄中で過ごすことになった。ヒトラーは激怒し、ドイツ国内の占星術師を一斉に弾圧した。

7. ヒムラーの「オカルト独占計画」

 ホロコーストの主犯であり、SS(親衛隊)のトップであるハインリヒ・ヒムラー。彼はヒトラーの占星術師弾圧を支持したが、それは「占星術がインチキだから」ではない。「占星術は強力すぎるため、ナチス国家(と自分)だけが独占して使うべきだ」と考えたからだ。

 彼は本気で星占いを信じており、重要な決定の前には必ず星の位置を確認した。「占星術は国家の特権であり、大衆のものではない」という彼の言葉は、彼がいかにオカルトの力を恐れ、そして依存していたかを物語っている。

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ハインリヒ・ヒムラー Bundesarchiv, Bild 183-S72707 / CC-BY-SA 3.0, CC BY-SA 3.0 de, リンクによる

 独裁国家がオカルトと結びついたとき、それは単なる笑い話ではなく、大勢の命を奪う狂気の原動力となる。現代の我々も、「非科学的な思い込み」が権力を持ったときの恐ろしさを、決して忘れてはならない。

参考:ODDEE、ほか

TOCANA編集部

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