25年間村人たちによって幽閉されていた女性!動物のように扱われ…日本でも最近まで合法だった監禁制度とは?

 フィリピンの人里離れた村で、衰弱した女性が25年間、村人によって幽閉されていた――。

■25年間監禁されていた女性を偶然発見

 2020年8月、ジェダ・クラチャ・ナキンスさんは、セブ州をハイキングしていた時、檻に閉じ込められた女性を発見した。当初ジェダさんは、その女性が何かの理由で檻に入れられていると思ったが、後に彼女が精神病にかかっていることに気づいたという。

 45歳と推定される女性は、近所の人からマノールと呼ばれている。地元の人々はジェダさんに、マノールについてこう語った。

「The Sun」の記事より

 母親が亡くなり、彼女の義理の父親が仕事のために別の国に引っ越した後、彼女は一人暮らしをしていた。しかし精神に問題のあるマノールが、トラックにひき殺されそうになる事件があり、村人はマノールが一人で外出する事は危険だと心配した。

 そこで近所の人たちはお金を出し合い、セメントで小さな檻を作った。その檻は、マノールが両親と一緒に住んでいた家の脇に作られていて、隣人が交代で食べ物を持ってきている。

 そして驚くべきことに村人たちは、マノールはそこに25年間監禁されているとジェダさんに話したのだった。

 その話しを聞いた後、ジェダさんは隣の村まで助けを求めて走り、またソーシャルメディアに、この女性が受けているひどい扱いについて投稿した。

「なぜ彼女が、動物のように檻の中に入れられたのか知りたかった」(ジェダさん)

 マノールさんを見てショックを受けたジェダさんは、彼女の状況は非常に悪いので、誰かが彼女を助けてくれることを願うと話す。そして地方当局は何かをするべきで、マノールさんは医師の診察を必要としているとも述べている。

 そしてたとえマノールさんが、自分の周りで起きていることを理解していないとしても、「彼女が受けている扱いは許されない」と憤る。ジェダさんは女性の状態を改善するように、地域の政府関係者と話しており、友人たちにもマノールさんの助けを探すように頼んでいる。

「The Sun」の記事より

■私宅での監禁の慣習は珍しくない

 WHOや英ガーディアン紙の報告によると、フィリピンの農村地域ではこのような慣習は決して珍しくないという。

 そして、2004年のスリランカとインドネシアで起きた津波のような自然災害、そしてフィリピンでの2013年の台風は、最も必要とされている地域に、精神保健ケアを広めるための触媒となり、過去20年間、これらの国々のメンタルヘルスケアは、大きな飛躍をしたと付け加えている。

 しかし、これをフィリピンやインドネシアの過疎村の話だと思ってはいけない。何と日本も精神障害者を自宅の一室や敷地内の小屋などに閉じ込め、監禁する「私宅監置」が、1950年までは合法的に行われていたのだ。

 このケースは、マノールさんの近隣の人々も貧しく、病院に連れて行く発想や、金銭的余裕がなかったと思われる。しかしジェダさんによってマノールさんの置かれた状況がSNSで拡散され、マノールさんが注目を浴びたのは不幸中の幸いだった、と思わざるを得ない。

 もしジェダさんが、マノールさんの檻の側をハイキングの途中に通らなければ、彼女は今後何十年も幽閉され、そして亡くなっていたであろう。

参考:「The Sun」ほか

 

※当記事は2020年の記事を再編集して掲載しています。

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