【未解決】30年の時を経てDNAが暴いた“コロニアル・パークウェイ殺人事件”
【未解決】30年の時を経てDNAが暴いた“コロニアル・パークウェイ殺人事件”の正体と残された謎

1986年から1989年にかけて、アメリカ・バージニア州の風光明媚な道路「コロニアル・パークウェイ」周辺で、若いカップルを標的とした連続殺人が発生した。FBIによる長年の捜査にもかかわらず、容疑者の特定には至らず、この事件は米国犯罪史上最も不可解な未解決ミステリー(コールドケース)の一つとして語り継がれてきた。
しかし、2024年1月、事態は急展開を迎える。DNA鑑定の進歩により、一連の事件のうち少なくとも2件(および関連する別件1件)の犯人が、すでに死亡していた地元の漁師、アラン・ウィルマー・シニア(Alan Wilmer Sr.)であることが特定されたのだ。
長年の謎が解け始めた一方で、すべての事件が彼によるものなのか、共犯者はいないのか、依然として深い闇に包まれたままである。
1. ターゲットは「恋人たちの小道」にいるカップル
一連の事件は、コロニアル国立歴史公園を貫く全長22マイル(約35km)の道路「コロニアル・パークウェイ」とその周辺で発生した。街灯がなく人目が少ないこの道は、地元の若者たちのデートスポットとして人気があった。犯人はその環境を悪用し、車の中にいるカップルを襲ったのである。

確認された主な被害者(カノニカル・ケース):
キャシー・トーマス&レベッカ・ドウスキー(1986年)
10月、同性カップルだった二人の遺体が車内で発見された。喉を切られるなど激しい暴行を受けており、車は崖下に突き落とされていた。犯人はディーゼル燃料を使って証拠隠滅を図った形跡があった。
デイビッド・ノブリング&ロビン・エドワーズ(1987年)
9月、ジェームズ川の岸辺で射殺体が発見された。ノブリングの車はドアが開いたまま放置され、ラジオが鳴り続けていた。
カサンドラ・ヘイリー&キース・コール(1988年)
4月、デート中に失踪。コールの車だけが発見され、衣類が残されていたが、二人の遺体はいまだに見つかっていない。
ダニエル・ラウアー&アネマリー・フェルプス(1989年)
9月、バージニアビーチへ向かう途中で失踪。車は高速道路の休憩所に放置され、後に白骨化した遺体が発見された。

2. 2024年の衝撃:DNAが暴いた犯人「アラン・ウィルマー」
長らく未解決だったが、2024年1月、警察は衝撃の発表を行った。DNA証拠により、デイビッド・ノブリング&ロビン・エドワーズ殺害事件(1987年)と、これまで関連がないと思われていたテレサ・ハウエル殺害事件(1989年)、さらにローリー・アン・パウエル殺害事件(1988年)の犯人が、地元の漁師アラン・ウィルマー・シニアであると断定されたのだ。
ウィルマーは「ポーキー」という愛称で知られ、自身のボート「デニ・ウェイド号」でアサリやカキを獲って生計を立てていた。彼は狩猟を好み、時にはコロニアル・パークウェイでカップルに嫌がらせをすることもあったという。しかし、彼は2017年に63歳で死亡しており、法の裁きを受けることはなかった。
3. 「警察官を装った」犯行手口の謎
捜査当初から根強かったのが、「犯人は警察官を装っていたのではないか」という説だ。被害者の車には、運転席の窓が半分だけ開いているなど、検問に応じたような形跡が見られるものがあった。ウィルマーに警察との関わりがあった証拠はないが、彼が何らかの方法で被害者を油断させ、車を止めさせた可能性は高い。

4. 残された謎:単独犯か、それとも…?
ウィルマーの犯行が確定したのは一部の事件のみであり、キャシー・トーマス&レベッカ・ドウスキー殺害や、カサンドラ・ヘイリー&キース・コールの失踪事件については、彼との直接的なリンクはまだ証明されていない。
また、ブライアン・ペティンガー殺害事件(1987年)や、シェナンドー国立公園でのカップル殺害事件(1996年)など、手口が類似する他の未解決事件との関連も疑われている。さらに、専門家の中には「遺体の遺棄状況や手口の違いから、共犯者がいた、あるいは別のシリアルキラーが同時に活動していた可能性」を指摘する声もある。

5. 終わらない捜査と遺族の願い
ウィルマーの特定は大きな前進だが、事件の全貌解明には程遠い。なぜなら、彼のDNAはこれまで国のデータベース(CODIS)に登録されておらず、他の未解決事件との照合が遅れているからだ。
「コロニアル・パークウェイ殺人事件」は、単なる過去の悲劇ではない。新たな科学技術によって真実が暴かれつつある現在進行形の事件だ。残された遺族たちは、すべての犠牲者の正義が果たされるその日まで、問い続けることをやめないだろう。
すべての魂が安らかに眠れる日が、一日も早く訪れることを祈るばかりだ。
参考:Wikipedia、ほか
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