麻薬カルテルまで支配した殺人カルト「マタモロス教団」とは? 死体の茹で汁を飲み… 隆盛から破滅までの道程

麻薬カルテルまで支配した殺人カルト「マタモロス教団」とは? 死体の茹で汁を飲み… 隆盛から破滅までの道程の画像1画像は、「YouTube」より

 1980年代、メキシコ・タマウリパス州マタモロスでは、「マタモロス教団」もしくは「パロ・マヨムベ」として知られるカルト組織が暗躍していた。

 マタモロス教団は、カリスマ的な男性指導者アドルフォ・デ・ヘスス・コンスタンツォと、彼に従う「魔女」、サラ・マリア・アルドレテ・ビジャレアルを頂点に運営されていた。同教団は麻薬カルテルに超自然的な力を授けるため、15件以上の儀式殺人を実行したとされる。

 コンスタンツォは1962年11月1日、米フロリダ州マイアミで誕生した。母親はキューバ人の移民で、彼女とその母親(コンスタンツォの祖母)はキューバの民間宗教「サンテリア」の巫女だったという。

 サンテリアは、カトリック教会とスピリティズムなどを混合させて成立した混淆宗教である。信者はさまざまな神を信仰し、食べ物などの供物を捧げる。儀式ではニワトリを屠殺するのが一般的である。

 マイアミに住んでいた頃から、コンスタンツォの母親には異常な行動が目立った。母親は隣人たちと諍いが生じた際、彼らの部屋のドアに動物の死骸を置いた。さらに、ロサンゼルスタイムズ紙によると、小さなアパートで27匹の動物を飼い、床を血と糞尿で汚したために逮捕されたこともあった。

 幼少期に父が他界したことで、コンスタンツォの一家はプエルトリコの首都サン・フアンに引っ越し、そこで母親は再婚。コンスタンツォは継父の希望に応じて、カトリック教徒として洗礼を受け、ミサの侍者も務めた。

 後に母親とともにハイチへ旅行したコンスタンツォは、現地でブードゥー教とパロ・マヨムベ(キューバで発展したアフリカ由来の宗教)を研究したとされる。パロ・マヨムベでは、「ンガンガ」と呼ばれる儀式用の大釜で神々への供物が作られる。供物のほとんどは動物に由来する。しかし2018年には、パロマヨムベ信者がフロリダ州南部にある3か所の墓地で骨や遺体の一部を盗み、これらから供物を作ろうとした事件も発生している。

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 色白でハンサムなコンスタンツォは男性モデルとして働いていた。このとき、有名人や政治家を含むメキシコシティのエリートたちに対して、精神的な浄化を行ったり、魔法の呪文をかけたりするようになった。

 1984年、メキシコシティへ引っ越したコンスタンツォは、仲間を集めてカルト組織を結成した。組織の最盛期には、30人以上の優良顧客を抱え、メキシコシティで6万ドル(約825万円)のコンドミニアムと複数台の高級車を所有し、警備のために連邦司法警察の警官を少なくとも4人雇っていた。当初は動物を生贄にした儀式を行っていたが、1985年には人間の骨を使用するため、地元の墓地を盗掘したとされる。

 そして1986年、コンスタンツォは麻薬カルテル「カルザダ一家」に占い師としてサービスを提供し、莫大な利益を得るようになった。翌年にはカルザダ一家に完全なパートナーシップを要求したが断られた。そのため、コンスタンツォの組織はカルザダ一家のメンバー7人を誘拐し、拷問して殺害した。遺体は、指、つま先、脳、脊椎を含むいくつかの部位が欠損した状態で発見された。

 バイセクシュアルであることを公表していたコンスタンツォには、自らの組織のメンバーである複数の男女を恋人としていた。メンバーらはコンスタンツォを「エル・パドリーノ(ゴッドファーザー)と呼んだ。その中には、背の高くかわいらしい女子大学生、サラ・アルドレテがいた。アルドレテは「ラ・マドリナ(名付け親)」と呼ばれ、カルト組織の大祭司に任命されたことでコンスタンツォに次ぐ権力を手にした。

 アルドレテは1964年にマタモロスで生まれ、中産階級の家庭で育てられた。米テキサス州ブラウンズビルにある高校と大学に通い、大学時代は成績優秀でサッカーチームのチアリーダーも務めた。後に、デートした男性のエリオ・ヘルナンデス・リベラらを通じてコンスタンツォと知り合ったとされる。

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 このエリオは、米国とメキシコにまたがってマリファナを密輸して荒稼ぎしている麻薬カルテルのメンバーだった。このカルテルのリーダーは、エリオの兄であるサウル・ヘルナンデス・リベラだった。1987年にサウルが暗殺された後、カルテルはメンバーの逮捕と内紛に悩まされたが、最終的にエリオが指導者の地位を引き継ぎ、超自然的な支援と指導を求めてコンスタンツォを頼った。

 結果、エリオのカルテルはコンスタンツォの支配下に置かれた。コンスタンツォの組織はヘルナンデス家の所有地で活動を開始。コンスタンツォは当初、動物を使って儀式を行っていたが、後に犠牲が大きければ大きいほど超自然的な力が大きくなると主張し、人間を神々に捧げるようになった。犠牲者は儀式のために拷問されて殺害された。遺体の一部をンガンガで沸騰したものは、防弾効果がある飲み物としてカルテルのメンバーに支給された。犠牲者の椎骨から作られたネックレスを身に着けるメンバーもいた。

 コンスタンツォはエリオを「死刑執行人の司祭」に任命し、胸と腕に神聖な印を刻んだ。エリオは儀式に必要な“生贄”たちの命を多数奪ったが、誤って自分の甥の1人まで殺してしまったという。

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