2カ月間言葉を失っていた女性、突然“4カ国の異なるアクセント”で話しだす! 「自分の声ではないみたい…」ゼノグロッシー発動か!?

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「ゼノグロッシー」という超心理学用語をご存じだろうか――。

■入院後に話し言葉が4カ国の外国なまりに

 過去、TOCANAでは「輪廻転生の証明か? 3歳児が知らない英語を突然ペラペラ話し始める超常言語現象「ゼノグロッシー」が発動!=イスラエル」、「【脳の驚異】中国人老婆、昏睡状態から目覚めたら英語がペラペラに!!」、「【脳の驚異】昏睡状態から目覚めたら、中国語がペラペラに!! 豪・青年の脳に一体何が?」、と題してゼノグロッシーの話題を報じてきた。

「ゼノグロッシー」には過去、宗教的な「異言」、「憑依現象」、「生まれ変わり」と混同されてきた経緯がある。

 しかし最近では、ヒトの複雑な脳機能が解明されるにつれて、れっきとした医学的現象であるという見方が多数派になっている。

 今回は生粋のイギリス人女性の英語が突如、4カ国もの異なる外国アクセントになってしまった症例をご紹介したい。

 イギリスのエセックス生まれのエミリー・イーガンさん(当時31歳)の人生は、2020年の1月、突如変化した。彼女はボーンマスで児童養護施設の責任者を務めていたが、2週間前からしつこい頭痛に悩まされていた。

 そしてある日、彼女の声が太く、そして脳卒中のサインと言われる「ゆっくりで不明瞭な話し方」に変わったことに周りの人が気づいた。彼女は病院に急いで運ばれたが、その後エミリーさんは話す能力を完全に失った。医者がいくつかのテストをエミリーさんに行ったところ、脳卒中の疑いは排除され、ある種の脳損傷によって発声ができなくなったと診断された。

 エミリーさんは病院に3週間入院したが、会話はできず、職場で習った簡単な手話と、テキスト読み上げアプリに頼る状態のままであった。

 医者はエミリーさんが病院を退院する時、彼女がパートナーのブラッドリーと行く予定だったタイで、のんびり過ごすように勧めた。医者の勧めは正しく、休暇後に彼女は再び会話ができるようになったのだった。

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エミリーさん 画像は「YouTube」より

 ただし、たった一つ、そこには重大な問題が起きていた。

 エミリーさんは英エセックス育ちで、エセックス地方の強いアクセントがあり、外国語は全く話せなかった。しかし現在、彼女の英語には、強いロシアのアクセントがある。それはまるで、彼女がロシア移民か、ロシア観光客のように聞こえるほどだ。

 彼女は、ロシア人のような英語のアクセントでこう語る。

「タイでのバケーション中、私は耳が聞こえない人が話すように、少しずつ話し始めました。それは私の身体が完全にリラックスしたので、脳神経経路がゆっくり動き始めたと考えられています」(エミリーさん)

 しかしすぐにエミリーさんは、自分の英語に東ヨーロッパのアクセントがあることに気付き、ショックを受けた。そして不思議なことに、彼女の英語のアクセントは突然、ポーランド人、イタリア人、さらにはフランス人が話す、外国人風の英語のアクセントに変わるという。

 それは自分がどれだけ疲れているかによって変わるとエミリーさんは説明している。そして、2020年3月、彼女は公式に「外国アクセント症候群」と呼ばれる稀な症状と診断された。

「自分の声が戻ってきた時、私はとてもうれしくて興奮しました。でも今、自分の口から出てくる声は、まるで自分の声ではないみたいです」とエミリーさんは英メディア「SWNS」に語った。

■「外国アクセント症候群」の謎

 正式な診断を受けて以来、エミリーさんは言語療法士のもとに通っているが、彼女のアクセントは相変わらず外国人風のままだ。

 医師は彼女のアクセントはかなり長期間、おそらくはずっとこのままかもしれないと告げた。発する言葉に外国風のアクセントがついて以来、彼女は彼女を移民と思う人々から差別を受けたという。そしてそのストレスが、エミリーさんの健康状態を悪化させるのだ。

「私にとって最も難しいのは、この声を受け入れることです。そして、いつかはその日が来るでしょう」(エミリーさん)

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画像は「YouTube」より

 エミリーさんのケースは、米アリゾナ州の女性ミシェル・マイヤーズさんのケースと驚くほど似ている。彼女は一度も米国の外に出たことがないのに、激しい頭痛の後に、複数のアクセント(イギリス、アイルランド、オーストラリア)で話し始めた。そして、彼女もやまり「外国アクセント症候群」と診断されている。

 このケースが「ゼノグロッシー」に当てはまるかは不明だが、全ての例に共通しているのは、激しい頭痛に襲われた後に、言語能力に著しい変化が現れたことであろう。

 果たして日本にもこのようなケースがあるのか、調べてみると、日本にも「外国アクセント症候群」の例はあるという。その場合のアクセントは、英語アクセント型と中国・韓国語アクセント型の2つに分かれるという。人間の脳には、まだまだ無限の謎が潜んでいるようだ。

参考:「Oddity Central」、ほか

 

※当記事は2020年の記事を再編集して掲載しています。

文=三橋ココ

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