「離れ離れになりたいと思ったことは?」その問いに対して世界最長寿の結合双生児が語ったこと

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 世界最長寿の結合双生児は離れ離れになりたいと思ったことはあるのだろうか。その問いに対して彼らが語った言葉とは――。

■史上最長寿の結合双生児が語ったこととは?

 オハイオ州デイトン出身のアメリカ人結合双生児、ロニー・ガリオン氏とドニー・ガリオン氏(1951-2020)は、2020年7月に68歳で逝去した史上最長寿の結合双生児である。

 別々の心臓、胃、肝臓、肺、腎臓、腕、脚など、それぞれ独立した器官を持って生まれた彼らだが、1つのペニスはドニーによって制御され、膀胱は半共有状態であった。

 医学界は彼らの外科的分離に伴うリスクは高すぎると考え、彼ら2人も一緒のままでも構わないとの見解を示したことで分離する案が持ち上がることはなかった。

 彼らは子供の頃からエンターテイメント業界で活躍し、サーカスでの30年間のキャリアを積み経済的安定を得ている。

 彼らの日常生活への適応能力は驚くべきものであった。彼らは交代で髭を剃ったり、自分の洗濯物を独立して管理したりするなど、日常業務のためのいくつもの実用的な解決策を編み出している。

 39歳でサーカスを引退した後、彼らは自主性を維持し、米オハイオ州デイトンで20年間暮らした。

 しかし彼らにはなかなか解決できない問題が1つあった。それは睡眠に関するもので、彼らは同時にベッドに横になることができなかったのだ。50代になって特別に設計されたベッドが導入されるまでは、交互に睡眠をとる必要があったのだ。

 基本的に彼らは協力して物事に対処していたが、意見の相違をめぐって時には殴り合いの喧嘩に発展することもあった。

 それでも彼らは自分たちがどのような存在であるのかについて、生涯にわたって共通の一貫した立場を維持していた。

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「離れ離れになりたいと思ったことはありますか?」というよく聞かれる質問について、彼らは声を揃えて必ず次のように語るのだ。

神が私たちをこのように作りました。私たちの分離はイエス様にさせてください

 2009年、ロニー氏の肺に血栓が発生し、両者とも集中治療が必要になった。一命はとりとめたが、この後彼らは24時間体制の介護を必要とするようになり、弟のジム氏と妻のメアリーさんが献身的に看病にあたった。

 2020年7月4日、ロニー氏とドニー氏は心不全のため68歳と253日で亡くなり、史上最も長生きした結合双生児として「ギネスブック」にその名を記したのである。彼らの残した興味深いストーリーとその言動はこれからも語り継がれることだろう。

参考:「Misterios do Mundo」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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