小人、結合双生児、生きるミイラ… 奇形・フリークスを愛した英ビクトリア女王の真実

※ こちらの記事は2019年6月29日の記事を再掲しています。

 英国のビクトリア女王は、熱烈なフリークスファンだった。歴史家のジョン・ウルフ博士によると、ビクトリア女王のそれは特に秘密ではなかった。それどころか、イギリスでフリークショーを広めた人物こそ、他ならぬビクトリア女王だったというのだ――。

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ビクトリア女王(1819-1901) 画像は「Wikipedia」より引用

■ビクトリア女王が愛したフリークス

 ビクトリア女王は厳しい顔をした君主として歴史に残っているが、実際はアウトサイダーを好む、愉快で愛情のある女王として知られていたらしい。

 女王はドイツの血を引くが、抑圧的な英国のケンジントン宮殿で育てられ、また女王の身長はわずか150センチで、その姿そのままに「小さな女王」と呼ばれていた。ビクトリア女王は、自分が会ったフリークスのパフォーマーについて書き残している。それはとても興味深い読み物だ。

●親指トム

「親指トム」ことチャールズ・ストラットンが、米コネチカット州で「発見」され、ロンドンのステージでデビューしたのは、今から175年前のことだ。その時、「親指トム」は、わずか4歳であったが、興行主の“グレイテスト・ショーマン”ことP・T・バーナムは11歳として紹介していた。

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サーカス王P・T・バーナムと「親指トム」のチャールズ・ストラットン(1850年) 画像は「The Vintage News」より引用

 1844年、6歳になった身長63センチの「親指トム」が、バッキンガム宮殿にP・T・バーナムに伴われビクトリア女王に会いに来たのが、女王のサーカスフリークス愛好の始まりだったらしい。

「親指トム」は、ビクトリア女王、アルバート皇太子を含む王室の面々の前で芸と寸劇を披露し、女王は魅了された。ビクトリア女王はその日、他のサーカスの「フリークス」も連れて、再び宮殿に来るように「親指トム」を招待した。

 ビクトリア女王は、フリークスパフォーマーたちの最大のパトロンであり、彼らを宮殿に招き続けた。イギリスのバッキンガム宮殿とウィンザー城には、小人、巨人、アステカ人、アースマン、シャムの双子、ズールー族などのフリークスが次々と現われた。

 フリークショーのパフォーマーは、現在のセレブリティのような地位にあったらしい。その中でも、女王と初めに会った「親指トム」は、国際的著名人の一人として注目を浴びた。

 当時、サーカスのフリークスの私生活は、一般の人々にとって非常に興味深いものであった。「親指トム」が同じく小人の女性ラヴィニア・ウォーレンと結婚した時、世間は彼らの生活に大いなる好奇心を抱いた。

 商売上手の興業主P・T・バーナムは、2人に公開結婚式を挙げさせ、夫婦の子と偽って他所から赤ちゃんを借りてきたのだ。

 その後、「親指トム」は大金を稼ぎ、世界を旅し、ヨットも所有した。もともと、彼は米コネチカット州ブリッジポートの貧しい家庭に育ったが、彼のおかげで兄弟たちを私立の学校に送ることもできたのだった。

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