専門家が警鐘!宇宙ゴミが連鎖的に衝突を引き起こす「ケスラーシンドローム」とは?

クリスマス直前、アメリカ空軍の気象衛星が軌道上で50個の破片に分裂した。このような「分裂」現象は近年で4回発生しており、専門家たちは「ケスラーシンドローム」のリスクに警鐘を鳴らしている。
ケスラーシンドロームの危険性
ケスラーシンドロームは、1978年にアメリカの天体物理学者ドナルド・ケスラーが提唱した理論であり、宇宙ごみが連鎖的に衝突を引き起こす現象を指す。破損した衛星の破片、ロケットの推進剤タンク、兵器実験の残骸、さらには宇宙船の緩んだネジ一本までが、現在地球を周回する約1億3000万個もの宇宙ごみを構成している。
欧州宇宙機関(ESA)によれば、そのうち約4万500個は10センチ以上だが、ほとんどは1センチ未満の小さな破片である。この破片は時速約2万9,000キロメートル(地球を秒速8キロ以上で周回)という驚異的な速度で飛んでおり、衛星や宇宙機器に深刻な被害を与える可能性がある。
これまでに報告された主要な衝突事故は1957年以降で650件だが、専門家はこの数が今後急増すると予測している。惑星科学者ビシュヌ・レディは、「過去4年間で打ち上げられた物体の数が急激に増加している」と警告している。

衛星衝突のリスクとその広がり
低軌道(LEO)では、現在1日に約1,000件の衝突警報が発せられている。これは通信企業や政府、科学者たちが衛星機器を守るために注意を促される数だ。この領域には、イーロン・マスクのスペースXが打ち上げた7,000基以上のスターリンク衛星が存在している。
特に危険なのは地球静止軌道(GEO)だ。ここには国家機関や民間企業の通信衛星が多数配置されており、それらが高価で重要な機能を果たしている。この領域での衝突は、破片が何千年も漂い続けるため、取り除く手段がほとんどない。これが「ケスラーシンドローム」が現実化した場合の最大の懸念だ。
米軍は現在、約4万7千個の宇宙物体を追跡しているが、実際にはこれを上回る量の宇宙ごみが存在していると見られる。宇宙追跡システムの専門家ダン・オルトロッジ氏は、「データの不正確さが衝突を防ぐ能力を阻害している」と述べている。
規制の必要性と未来への警鐘
過去10年で宇宙への打ち上げ回数は急増しており、2008年から2017年の年間平均82回から、2018年以降は年間133回に増加している。将来的には現在の約1万基の衛星が10万基に増加すると予測されている。この「宇宙ごみ」の増加は、放置すれば地球環境全体に深刻な影響を及ぼす可能性がある。

宇宙プラズマ物理学者デビッド・マラスピーナ氏は、「ケスラーシンドロームが始まると、最初は小さな破片からその兆候が現れるだろう」と警告している。さらに、元NASAの物理学者シエラ・ソルター=ハント氏は、衛星が焼却される際に生じる金属粉塵が地球の磁場を歪ませる可能性を指摘している。
これらの警告を受け、専門家たちは産業界と政府が協力して国際的な規制を確立する必要性を訴えている。ビシュヌ・レディ氏は、「業界が自主的にガイドラインを設定することが大きな助けになるだろう」と述べている。
ケスラーシンドロームが現実化すれば、通信や気象観測、さらには私たちの生活全般に影響を及ぼす恐れがある。科学者たちの警鐘は、単なる理論ではなく、差し迫った現実の問題として捉える必要があるのかもしれない。
参考:Daily Mail Online、ほか
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