「世界で最も孤独な6人」の生活とは?現代文明を捨てた隠遁者たち
AIが人間にアドバイスをし、タクシーが自動運転になろうとしているこの現代社会に背をそむけ、完全なる隠遁生活を送る者がいる。文明の利器を捨て孤独に生きる6人の隠遁者たちとは――。
■豹になった元兵士
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元軍人のトム・レパードは、ヒョウ柄のタトゥーで全身を覆い、スコットランド沖のスカイ島で孤独に暮らした。
彼はその後20年間、電気も家具もない間に合わせのビニールシートを屋根にした自分で建てた小屋で暮らすことになる。
トムは週に一度、食料品や軍人年金を受け取るために本土まで3マイルをカヌーを漕いで出かけた。彼は「都会から逃げ出したい」と思ってそれを実行しており、「決して孤独ではない」と語っている。
2008年に島での生活を止めて地元の村のワンルームの部屋に引っ越し、2016年に80歳で亡くなった。
■荒野での自給自足生活
アメリカ人冒険家のクリストファー・マッキャンドレスは、1992年4月にアラスカの荒野に単身で向かった。大きな米袋、ライフル、長靴を持っていた彼は、荒野に捨てられた廃バスに住み、毎日詳細な日記をつけた。
数か月間、彼は食べられる野草や捕まえたリスを食べて暮らし、ヘラジカを仕留めることもあったが一人では処理できず腐らせてしまうことが多かったという。そして悲劇的なことに1992年8月、バスの中で餓死した彼の遺体が発見された。
彼の放浪の生涯と死は2007年の『イントゥ・ザ・ワイルド(Into the Wild)』で映画化された。
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■静寂を求めて
ジョージアの僧侶マキシム・カヴタラジェは、ジョージアにある高さ40メートルの自然の岩柱の頂上で20年以上暮らしていた。ここは「カツヒの柱」として知られる古代の庵があった場所だ。
彼のために小さな小屋が建てられる前、マキシムは壊れた大型冷蔵庫の中で寝ていた。彼はただ静寂を求めていたのだ。
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地元の人たちが恵んでくれた食料と生活物資をロープで引き上げて消費し、祈りを捧げたり本を読んだりしながら過ごし一貫して「静寂が必要だ」と彼は言い続けた。
しかし自身の高齢と見物にやって来る観光客の多さから、2015年に地元の修道院に戻ることになった。
■世界で最も孤独な女性
「世界で最も孤独な女性」と呼ばれるアガフィア・ルイコワさん(現在80歳)は、1980年代からシベリアの西サヤン山脈の人里離れた場所に建つ木造の小屋で一人暮らしをしている。
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彼女はソ連時代のスターリンによる宗教迫害から逃れてこの地にやって来た最後の家族の一員だ。彼らはなんとか自給自足できるようになり、最寄りの村から150マイル離れた場所に定住した。
作物を育て、家畜を飼っているアガフィアさんは病院へ行く時だけ家を離れるが、今後も喧騒から離れていたいと語る。
■島での一人暮らし
1989年、モデナ出身のイタリア人体育教師マウロ・モランディは、ヨットに乗って太平洋での新生活に出発した。「嫌いなこの社会から逃げたかった」と彼は語った。
しかし、ピンク色のビーチで有名なサルデーニャ島近くのブデッリ島沖で難破した彼は辿り着いた島に留まることを決意し、島の所有者に代わって島の管理人となった。
以来、テレビもラジオもない第二次世界大戦時の古い避難所で、1マイル四方の島に一人で住んでいた。マウロは冷蔵庫用の太陽光発電システムを自力で組み立て、本土から食料を届けてもらいながら島での一人暮らしを続けた。
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彼は島が国立公園の一部になったため強制的に立ち退きを強いられるまで32年間、島に留まったのだ。彼は今年初め85歳で亡くなった。
■泥と藁と堆肥でできた家に住む
オックスフォード大学を卒業しているエマ・オーバックは、ウェールズのペンブルックシャーの荒野でホビットのような生活を送るために現代の競争社会を捨てた。「現代社会で幸せを感じる方法を見つけられなかった」とエマは語る。
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3人の子どもを持つ現在69歳のエマは1999年以来、泥と藁と堆肥で作った小屋に住んでいる。エマは今のライフスタイルに「本当に満足」しているという。
電気も水道もなく、地元の小川から飲用水を汲み、自分で野菜を育て、ヤギと鶏を飼っているエマは「このライフスタイルのおかげで本当に幸せを感じます」と現在の生活にこのうえない喜びを感じているのだ。
参考:「Daily Star」ほか
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