50年前に「火星の生命」を発見していた? NASAが“誤って殺してしまった”という仮説に再び注目集まる

火星探査の意外な代償
火星に生命が存在するか――この問いは人類の宇宙探査における最も大きな関心事のひとつである。だが今、ある科学者の主張が波紋を広げている。「すでに火星生命は発見されていたが、我々人類がそれを誤って殺してしまったのではないか」というのだ。
この主張の発端は、ベルリン工科大学の天文学者ディルク・シュルツ=マクフ博士が2023年に発表したコラムである。博士は、1970年代に火星に着陸したNASAのバイキング探査機が、生命の痕跡を検出していた可能性があるとしつつも、実験中に誤ってそれを破壊してしまったと指摘している。

火星の“有機物”を見落とした?
博士によると、バイキング探査機は「塩素を含む有機化合物(クロリネート有機物)」を検出していた。これは当初、探査機自体の地球由来の汚染と判断され、重要視されなかった。しかしその後の探査で、火星にはこれらの化合物が自然に存在することが確認された。
火星の微生物は、乾燥した塩の岩石に閉じ込められた水分を利用し、生存していた可能性がある。だが、地球の水を加えたことで、それらの微生物が環境ショックを受け、死滅してしまったのではないか――博士はそう推測している。
さらに近年、火星探査車「パーサビアランス」によってアルカン(炭素と水素のみから成る有機化合物)の存在が確認されたことも、彼の説を後押ししているという。

NASAの反論と今なお続く議論
これに対して、NASAの宇宙生物学・地球物理学の専門家であるクリス・マッケイ博士は、「バイキング探査機が明確な生命の証拠を見つけたという証拠はない」と反論。乾燥環境下で微生物に水を加えることがショックを引き起こす可能性は当時から認識されており、そのリスクを踏まえた上で実験は設計されたと主張している。
それでもシュルツ=マクフ博士は自説を貫いている。「科学的状況はほとんど変わっていないが、新たな観測結果によって火星生命の可能性はさらに強まっている」と語る。彼の研究チームは、火星に存在する過塩素酸塩などの極端な化学環境でも生きられる微生物(極限環境微生物)の研究も進めており、その耐性が示されている。
この議論は、2025年に迎えるバイキング探査機打ち上げ50周年を前に再び注目を集めている。50年前の実験は、本当に火星の生命の痕跡を捉え、そして消し去ってしまったのだろうか? それとも、生命の確たる証拠はまだ見つかっていないだけなのだろうか? 火星の赤い大地の下に眠る真実が明らかになる日は、いつ訪れるのだろうか。
参考:Popular Mechanics、ほか
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2024.10.02 20:00心霊50年前に「火星の生命」を発見していた? NASAが“誤って殺してしまった”という仮説に再び注目集まるのページです。火星、生命、バイキング計画などの最新ニュースは好奇心を刺激するオカルトニュースメディア、TOCANAで