旧ソ連の制御不能衛星「コスモス482」間もなく地球へ!日本も落下予測範囲の中に…

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ロシアの宇宙飛行記念博物館にあるソ連の宇宙船コスモス482のレプリカ 画像は「Daily Mail Online」より

 旧ソ連が約50年前に打ち上げた人工衛星「コスモス482」が地球に落下する可能性──このニュースは、先日TOCANAでも報じた通り世界的な注目を集めている。だが今回、新たに判明した情報により、事態はさらに現実味を帯びてきた。

 最新の観測では、衛星の落下が予測される進路が明らかになっており、公開された地図を見ると、その範囲は欧州・中東・アジア・アメリカ・南米・オーストラリアにまで及び、日本列島も含まれている。

 つまり、どこに落ちてもおかしくない巨大な宇宙の残骸が、いま私たちの頭上を周回しているというわけだ。

 落下のタイミングは、日本時間で5月10日(土)午後5時34分前後を中心とした28時間の範囲。小さな軌道のずれが大きな誤差を生むため、最終的な落下地点は直前まで特定できないとされている。

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画像は「Daily Mail Online」より

危険区域には世界の主要都市がずらり

 オランダ・デルフト工科大学の天文学者マルコ・ランブルーク博士の解析によると、「コスモス482」が落下する可能性のあるエリアは、北緯52度から南緯52度の間。

 この落下範囲には、ヨーロッパ、北米、中東、南米、アフリカ、アジア、そして日本を含む東アジアなど、人口100万人を超える都市が密集する地域が数多く含まれている。

 南米ではブラジルがとくにリスクが高く、サンパウロ、サルヴァドール、ナタールなどが再突入の進路に入っている。

 また、オーストラリア東部のブリスベンも真下に位置しており、例外ではない。

 ランブルーク博士は「地球の自転によって、わずかな誤差が数千kmの誤差になる可能性がある」として、落下位置の確定には慎重な姿勢を取っている。

そもそも「コスモス482」とは何か?

「コスモス482」は、1972年にカザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた探査機だ。当初は「ベネラ9号」として金星探査を目的としていたが、発射直後にエンジントラブルで軌道を外れた。

 当時のソ連政府は失敗を隠すため、この探査機を“汎用的な名称”である「コスモス」に変更。その後、4つの破片に分裂し、一部はニュージーランド上空で大気圏に突入・消失した。

 ただし、チタン製で極めて頑丈に設計されたランディングモジュール1基だけが、いまだに地球の周囲を回り続けていたのだ。

 しかもこのモジュールは、「金星の過酷な環境に耐えられるよう設計された“超高耐久仕様”」であり、一般的な人工衛星よりもはるかに耐性が高いとされている。

落下の衝撃は?「時速240kmのバイク並」との声も

 ライス大学の天文学者パトリック・ハーティガン教授によると、「落下物は秒速約8km(時速約28,800km)で大気圏に突入し、最終的には時速約240kmで地表に衝突すると見られている」という。

 また、元々搭載されていたパラシュートシステムは、すでに展開済みであったか、経年劣化で機能しない可能性が高い。したがって、「速度を落とす手段がないまま」突入するリスクがある。

 ただし、そのサイズ(直径約1メートル)と質量(500kg)から考えて、「大都市への直撃がなければ被害は限定的」と見られている。

 ハーティガン教授は「衝突エネルギーは隕石と同程度だが、破壊力は限られる」としつつ、「それでも人口密集地への落下は避けたい」と警鐘を鳴らしている。

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イメージ画像 Created with AI image generation (OpenAI)

衛星の観測は“薄明”の瞬間しかできない

 現時点での観測が難しい要因の一つは、「コスモス482」が日中は太陽の光に紛れて見えず、夜は地球の影に入ってしまうという点である。そのため、観測可能な時間帯は“日の出直前”や“日没直後”などの短いタイミングに限られる。

 また、大気との摩擦や太陽活動(スペースウェザー)の影響もあるため、落下の最終軌道は直前まで確定しない。

 NASAも公式ページで「最終的な落下予測は突入直前まで不確実性が残る」と述べており、世界中の天文学者が落下直前の観測を強化している。

確率は低いが、ゼロではない

 500kgとはいえ、その構造と速度からして、直撃すれば大きな被害をもたらすのは間違いない。

 しかし、地球表面の70%が海であり、さらに人の住んでいない地域も広いため、衝突の確率自体は極めて低い。

 半世紀の宇宙飛行の末、コスモス482は今、地球上のどこかにその最後の姿を現そうとしている。固唾を飲んで見守るしかなさそうだ。

参考:Daily Mail Online、ほか

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