古代ローマの砦を守っていたのは“巨人兵”だったのか。2000年前の遺跡から発掘された「異様に大きい靴」に考古学者が困惑

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 古代ローマの砦を守っていたのは“巨人兵”たちなのか――。ローマ帝国時代の砦の遺跡から巨大な靴がいくつも発掘されているのだ。

■ローマ遺跡で発掘された異様に大きい靴の謎

 英イングランド北部にある世界遺産「ハドリアヌスの長城」の南側にある「マグナ遺跡」というローマ帝国時代の砦の遺跡から発掘された「異様に大きい」2000年前の靴が考古学者らを悩ませている。

 長さ30センチ以上の靴(ヨーロッパサイズ49、米国サイズ15に相当)がここ数カ月で何足も考古学調査チームによって発見されている。

 8足の大きな靴は砦のゴミ捨て場となっていた溝に捨てられていたものであった。

 調査チームの考古学者レイチェル・フレーム氏によると、ハドリアヌスの長城の東にある「ヴィンドランダ遺跡」から発掘された膨大なコレクションの中でこのような大きい靴はごくわずかだが、「マグナ遺跡」で発見された靴の約4分の1がこの大きなサイズであるという。彼女はそれを「本当に珍しい」と表現している。

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「我々は今、誰がここにいたのかを解明しようとしている」とフレーム氏は仏メディア「AFP」に語る。

 さらに彼女は、マグダにどの連隊が駐屯していたのか、そしてほかの遺跡と比べてなぜこの遺跡に大きな靴がこれほど多くあるのかを解明したいと話す。

「ヴィンドランダ遺跡」のウェブサイトによると、調査チームは5月21日に最初の「非常に大きな靴」を発見したと報告し、それ以来さらに大きな靴の発見が続いている。

「木材、皮革、繊維などからできた有機物がこれだけの期間生き残るには、酸素が非常に少ない特殊な土壌条件が必要です」とフレーム氏は説明する。

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 彼女は、調査チームが答えを求めてローマ帝国の歴史を調査していると述べ、異なる文化や背景を持つ人々がこの遺跡で会っていた可能性が高いことを指摘する。

「人々はローマ人について考えるとき、イタリア人のことを考えますが、帝国がどれほど広大で、どれほど遠くまで広がっていたかを忘れてしまうことがあります」とフレーム氏は語る。

 ローマの砦の1つを守っていた“巨人兵”からなる部隊が存在していたのだろうか。マグナだけに駐留していた外人部隊だったとすれば、彼らはどこから来たのか。2000年前の“異様に大きい靴”の謎は今のところは深まるばかりのようだ。

参考:「Science Alert」ほか

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文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
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