脱税者は猛獣の餌にされていた!?想像を超える古代の“見せしめ”の刑罰

1900年前のパピルス文書が解読され、古代ローマにおける驚くべき脱税事件が明るみに出た。この文書は、2014年までイスラエルの古文書保管庫で忘れ去られていたものだが、今回の研究により「ガダリアス」と「サウロス」という2人の男が登場する、まさに一大スキャンダルの記録であることが判明した。
2人は奴隷に課される税金を回避するため、奴隷を「売却した」と装って他の属州へ移したように見せかけるという偽装工作を行っていた。だが実際には、奴隷たちはどこにも移動せず、元の場所にそのまま残されていたのだ。いわば「帳簿上だけの取引」で、現代の不動産評価操作のような巧妙な手口だった。立派な脱税である。

想像を超える“見せしめ”の刑罰
この脱税事件を解明した歴史学者アナ・ドルガノフ氏によれば、ローマ帝国は納税義務違反に対して極めて厳しい姿勢をとっていたという。処罰には流刑、塩鉱での強制労働、さらには猛獣による公開処刑などが含まれており、まさに命懸けの重罪であった。
「もし裁判官が彼らを確信犯と判断すれば、猛獣に食い殺されるという最も残酷な刑に処されることもあった」とドルガノフ氏は語っている。ただし、ガダリアスのように地元の上流市民であった場合、首を刎ねられるという“比較的穏便な”処刑方法が適用された可能性もあるという。とはいえ、どちらにしても過酷な結末に違いはない。
現代人への教訓?──税金はちゃんと払おう
この文書の発見により、現代の納税者が「確定申告が大変だ」と嘆くことが、いかに恵まれているかを痛感させられる(税金は高いが)。少なくとも現代では税金の未納で猛獣に喰われる心配はない。最悪でも給与差し押さえ程度で済むのだ。
古代ローマは、国家の根幹をなす「税のシステム」を守るために、時に血をもって規律を維持していた。税逃れが命取りになる時代がかつて本当にあったのだ。
参考:Boing Boing、ほか
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