1缶1500万円超えも! 世界で最も高価な「ウンチ」7選
汚い、臭い、不潔。誰もが避けたいと思う「ウンチ」。それはただの排泄物であり、無価値なものの代名詞だ。…しかし、世の中には信じられないほど高値で取引される、特別なウンチが存在する。
もちろん、そこらへんの糞コロジーでは億万長者にはなれない。それは特定の動物が生み出したものであったり、とてつもなく古かったり、あるいは特殊な用途があったり…とにかく、誰かが大金を払ってでも欲しがる、奇妙で高価な「ウンチ」の世界を覗いてみよう。
動物の排泄物から生まれる“究極の嗜好品”
1. アンバーグリス(龍涎香)

厳密にはウンチと呼べるか議論の余地があるが、マッコウクジラの消化器官で作られ、とんでもなく高価なため、このリストに加える価値は十分にあるだろう。これはクジラの体内で生成される固形の蝋状物質で、排泄または嘔吐によって体外に出される。新鮮なうちは強烈な悪臭を放つが、乾燥すると甘い独特の香りに変わる。この「クジラのゲロかウンチ」は、世界で最も高価な香水の一部に欠かせない原料として重宝され、1ポンド(約450g)あたり数万ドルで取引されることもある。(ただし、アメリカなど多くの国では取引が違法とされている)
2. ジャコウネコの糞コーヒー(コピ・ルアク)

東南アジアなどに生息するジャコウネコ。彼らの糞、というよりはその中に含まれるものが非常に価値を持つ。これが、世界で最も高価なコーヒーの一つ「コピ・ルアク」だ。製造プロセスは実に奇妙。ジャコウネコにコーヒーチェリーを食べさせると、果肉は消化されるが、種子(コーヒー豆)は未消化のまま腸内で発酵し、排泄される。この糞の中から豆を拾い集め、洗浄して作られたコーヒーは、独特の風味と香りを持つとされ、1杯100ドル(約1万5000円)の値が付くこともある。皮肉なことに、ブラインドテストでは数倍安いコーヒーに負けることも多い。
3. ジャクー鳥の糞コーヒー
2006年、ブラジルの農家が地元のジャクー鳥がコーヒーチェリーを食べているのを見て、ひらめいた。「ジャコウネコの糞コーヒーが売れるなら、鳥の糞でもいけるのでは?」と。こうして生まれたのがジャクー鳥コーヒーだ。これもまた、1袋1000ドル(約15万円)近い価格で取引される高級品となった。
4. 象の糞コーヒー(ブラック・アイボリー)

次は何か? そう、象の糞コーヒーだ。その名も「ブラック・アイボリー」。製造方法はジャコウネコと同じ。象にコーヒーチェリーを食べさせ、その巨大な糞の山から未消化の豆を拾い集める。「世界で最も希少なコーヒー」と謳われ、1ポンド(約450g)あたり1500ドル(約22万円)以上で販売されている。
歴史と産業を動かした“価値ある糞”
5. グアノ

グアノとは、コウモリや特定の海鳥の糞が乾燥して堆積したもののこと。これは非常に優れた天然肥料であり、19世紀にはその価値から国家間で争奪戦が起きるほどだった。あまりの儲けぶりに、1856年、アメリカ政府は「グアノ島法」を制定。この法律は、アメリカ国民が世界のどこであれ、グアノが堆積した島を発見した場合、アメリカの名において領有権を主張でき、米軍の保護を受けられるという、とんでもないものだった。
6. ロイズ銀行のコプロライト(ヴァイキングの糞の化石)

次は、人間、それもヴァイキングが残した、はるかに古いウンチの話だ。1972年、イギリスのヨークで銀行の建設工事中、作業員が偶然「コプロライト(糞石)」、つまり糞の化石を発見した。調査の結果、これは9世紀にこの地に住んでいたヴァイキングの糞であることが判明。この見事なサイズのウンチの主は、パンや貝、ナッツなどを食べており、腸内に寄生虫がいたことまで分かった。非常に保存状態が良くユニークであるため、この「ロイズ銀行のコプロライト」は、少なくとも3万9000ドル(約580万円)の価値があると推定されている。
理解不能なアート、その名も「芸術家の糞」
7. ピエロ・マンゾーニの『芸術家の糞』

ピエロ・マンゾーニは、イタリアの前衛芸術家だ。「何が芸術と見なされるのか」という定義そのものに挑戦したことで知られる。彼の最も有名な作品の一つが、『Merda d’Artista』。イタリア語で、文字通り「芸術家の糞」である。
1961年、マンゾーニは自らの大便を90個の小さな缶に詰め、「芸術家の糞、内容量30g、新鮮なまま保存、1961年5月製造・缶詰」というラベルを貼った。制作当時、この缶詰は同じ重さの金の価格、つまり37ドルで値付けされた。しかし、その価値は年々上昇。現在、オークションに出品されれば、1缶が10万ドル(約1500万円)を優に超える価格で落札されている。もはや、何が価値を持つのか、分からなくなってくる世界である。
もはや何が宝で何がクソなのか分からない時代。あなたの足元に転がるソレも、明日には億万長者への切符かもしれない……?
参考:Oddee、ほか
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