【衝撃】質量330億トン以上? 謎の恒星間天体「3I/ATLAS」は“異常な塊”だった!それは彗星か、宇宙船か

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By International Gemini Observatory/NOIRLab/NSF/AURA/Shadow the Scientist, CC BY 4.0, Link

 2025年7月1日、天文学者たちは、太陽系を驚異的な速度で駆け抜ける、新たな訪問者を発見した。過去に観測された「オウムアムア」や「ボリソフ」といった恒星間天体の2倍近い速度で移動するその天体は、「3I/ATLAS」と名付けられた。

 そして最近、この謎多き天体の質量が、330億トン(33兆kg)以上にも及ぶという、驚くべき研究結果が発表された。しかし、その巨大さ以上に科学者たちを悩ませているのは、「なぜ、これほど巨大な物体が発見される前に、もっと小さな物体が何十万個も見つかっていなかったのか?」という、根本的な矛盾である。

彗星の“オナラ”から質量を測る

 彗星の大きさを正確に測るのは、至難の業だ。彗星が太陽に近づくと、熱せられてガスや塵を放出し、「コマ」と呼ばれるぼんやりとした大気で覆われてしまうため、中心にある核の大きさが分かりにくくなる。

 しかし、このガス放出(アウトガス)は、重要な手がかりも与えてくれる。ガスが噴出する力は、彗星の軌道や速度にわずかな変化をもたらす、天然のスラスター(推進器)のように働くのだ。

 ハーバード大学の研究チームは、世界中の227の天文台から集められたデータを分析。3I/ATLASの軌道が、太陽の重力だけで説明できる軌道から、どれだけズレているか(非重力的加速度)を計算した。その結果、3I/ATLASは、すでに大量のガスを放出しているにもかかわらず、その軌道の変化が「異常なほど小さい」ことが判明したのである。

 これは、この天体の核が非常に巨大で、ガス噴出の力にほとんど影響されないほどの質量を持っていることを示唆している。研究チームは、この計算から、核の直径を約5km、質量を330億トン以上と推定した。

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「これは重大な異常だ」―ローブ氏が指摘する謎

 3I/ATLASの質量が、過去に発見された「オウムアムア」や「ボリソフ」より3〜5桁も大きいという事実は、「重大な異常」であると、ハーバード大学の天体物理学者アヴィ・ローブ氏は指摘する。

「重元素の限られた存在量を考えれば、3I/ATLASのような巨大な天体が見つかる前に、オウムアムアのような0.1kmスケールの天体が、10万個単位で発見されているべきだ。しかし、我々はこれまで2つしか発見していない」。

 この統計的な矛盾に対し、ローブ氏は再び、あの大胆な仮説を提示する。――もしかしたら、3I/ATLASは、自然の彗星ではなく、地球外生命体の宇宙船なのではないか、と。

 彼は、3I/ATLASが地球の公転軌道面とほぼ一致する、極めて稀な軌道(ランダムな場合、500分の1の確率)を通っていることや、工業的に製造された合金の特徴である「鉄を含まないニッケル」を放出していることも、その根拠として挙げている。

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By CSS, D. Rankin; Video recorded and edited by User:Renerphohttps://neofixer.arizona.edu/css-orbit-view, CC BY-SA 4.0, Link

 もちろん、NASAの科学者たちは、この説に否定的だ。「それは彗星のように見えるし、彗星のように振る舞う。圧倒的な証拠が、これが自然の天体であることを示している」と、NASAのトム・スタトラー氏は語る。

恒星間天体の観測ラッシュが始まる

 3I/ATLASの正体を巡る論争は、まだ始まったばかりだ。しかし、この謎を解き明かすための、強力なツールがすでに稼働を始めている。

 南米チリに建設された「ヴェラ・C・ルービン天文台」である。今年、試験運用を開始したこの天文台は、わずか10時間の観測で、2100個以上の新しい小惑星を発見するという、驚異的な性能を見せつけた。

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By Rubin Observatory/NSF/AURA/B. Quint – https://noirlab.edu/public/images/iotw2207a/, CC BY 4.0, Link

 今後10年間の本格的な観測で、この天文台は年間1〜2個、楽観的な予測では年間70個もの恒星間天体を発見する可能性があるという。

 これまでわずか3例しか観測されていない恒星間天体のサンプルサイズが、今後飛躍的に増大することは間違いない。それにより、3I/ATLASのような天体が、本当に「異常」な存在なのか、あるいは宇宙ではありふれた存在なのかが、明らかになるだろう。

 3I/ATLASは、2025年10月3日に火星探査機のカメラでより詳細に観測される予定だ。我々は、この遠方からの訪問者が、一体何者なのかを知る、歴史的な瞬間に立ち会っているのかもしれない。

参考:IFLScienceThe Debrief、ほか

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