“シンギュラリティ”は3カ月後に来る!? AI企業CEOが予言する「人類を超える知能」の誕生と、世界の終わり

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 技術的特異点であり、AIが人間の知能を凌駕する転換点であるシンギュラリティはいつ訪れるのか。ある専門家によれば早ければあと3カ月ほどでその日が来るという――。

■シンギュラリティは3カ月後!?

 これまでの大方の予想を越える速さで普及が進んでいるAI(人工知能)だが、シンギュラリティ(技術的特異点)の到達を意味するAGI(artificial general intelligence、汎用人工知能)はいつ登場するのだろうか。

 堅牢なデータ分析手法を用いて新技術を評価する研究機関「AIMultiple」によって実施された調査が先頃発表されている。

 8590人の科学者、一流の起業家、そして専門コミュニティの予測を精査した新たな分析で、ほとんどのAI専門家はAGIの出現は必然であることを認めている。

 ではAGIの登場はいつなのか。AI研究者たちによる最新の調査では、AGIは2040年頃になると予測されている。起業家たちはさらに強気で10年早い2030年頃と予測している。

 最も大胆なのかAI企業「Anthropic」のCEO、ダリオ・アモデイ氏で、彼はあと3カ月ほど待てばその日が来ると考えているのだ。年末から年明け早々に我々はAGIを仰ぎ見ることになるのか。

 このマクロ分析は、多くの専門家がAGIについてのいくつかの洞察も提供している。まず人間の知能とは異なり、機械知能には限界がないように見える点だ。少なくとも現時点で発見されている制約はないのだ。

「ムーアの法則」に基づけば計算能力は18カ月ごとに倍増するため、法学修士課程学生の知能と同等の計算能力の閾値には今後すぐに到達するという。またこのレポートは、コンピューティングが何らかのエンジニアリングの壁にぶつかった場合、量子コンピューティングがその不足を補う可能性があると述べている。

「量子コンピューティングのユニークな性質は、現在商用アプリケーションで最も人気のあるAIアーキテクチャであるニューラルネットワークを効率的に学習するために活用できる。安定した量子コンピュータ上で動作するAIアルゴリズムは、シンギュラリティ(特異点)を解き放つ可能性を秘めている」(調査レポートより)

 しかし誰もがAGIの実現を絶対視しているわけではなく、人間の知能は現在のAGIの定義よりも多面的であると主張する専門家もいる。AI専門家の中には、人間の知能を8つの知能で捉える者もおり、「論理的・数学的知能」はその中の1つに過ぎないということだ。

 ディープラーニングのパイオニアであるヤン・ルカン氏は、AGIを「高度な機械知能」と改名すべきだと主張し、人間の知能は専門的すぎて再現不可能だと主張している。またこのレポートは、AIは新たな発見を行う上で重要なツールとなり得るものの、AI単独では発見を成し遂げられないことも示唆している。

「既存のデータを分析する最高の機械でさえ、がんの治療法を見つけられない可能性がある」(調査レポートより)

 AIを評価し過ぎない視点も必要であるようだ。

 専門家や科学者によるAGIに関する個々の予測は、約半世紀にわたってさまざまではあるが、メッセージは明確だ。つまりAGIの登場=シンギュラリティによって人間社会は必然的にショッキングなまでの甚だしい変化に直面することだ。

 この激動の変化が素晴らしいものになるのか、それとも絶望に繋がるのか、それはその時の我々の覚悟次第ということになるのかもしれない。

参考:「Popular Mechanics」ほか

文=仲田しんじ

場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。
興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター @nakata66shinji

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